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「頚椎症」を発症しやすいのは40代や50代?症状や原因も解説!【医師監修】

 公開日:2025/03/02
頚椎の役割・頚椎症とは?

頚椎症は首の骨や周囲の組織が加齢の変化に伴い、症状が出現してくる病気です。高齢社会の日本では、多くの方が頚椎症になる可能性があります。

頚椎症が進行すると後遺症が残る危険性があります。しかし早期より適切な治療・対処をすることで治癒できる病気です。

本記事では頚椎症の症状・原因・なりやすい方などについて解説しています。正しい知識を身につけ、誰もが発症する可能性のある頚椎症について考えていきましょう。

※この記事はMedical DOCにて『「頚椎症」を発症する原因・発症しやすい年齢層はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

頚椎の役割・頚椎症とは?

医師と患者

頚椎とはどのような役割を担っているのでしょう?

頚椎とは背骨の一部のことです。背骨は頭に近い方から頚椎・胸椎・腰椎と3種類で構成されています。頚椎は首の部分に存在しており、7個の骨が靭帯や椎間板などによって連結されています。
中は空洞になっていて、中を通っているのが脊髄です。椎間板は頚椎と頚椎の間にクッションのような形で存在します。上から順に第1頚椎(環椎)・第2頚椎(軸椎)で上位頚椎、第3〜第7頚椎が下位頚椎と呼ばれます。頚椎の大きな役割は以下の通りです。

  • 脊髄を守る
  • 頭や腕を支える
  • 身体を動かす

特に脊髄は手足を動かすなどの指令を送る重要な神経となるため、脊髄を守る役割はとても大切です。さらに頚椎の中を通る脊髄は頚椎の間から末梢神経へと伸び、手の動きに関与します。そのため、頚椎に問題が生じると脊髄や末梢神経に影響が出る危険性があります。

頚椎症とはどのような症状が特徴の病気なのでしょうか?

単純に頚椎症だけで出現する症状として特徴的なのは、首周囲の痛み・凝りです。しかし頚椎症が進行すると脊髄や末梢神経に影響が出るため、手足の痺れや歩きにくくなるなど、さまざまな症状が出現してきます。

頚椎症を発症する原因が知りたいです。

主な原因は加齢に伴い頚椎・椎間板・靭帯などにさまざまな不具合が生じることです。加齢に伴う変化は以下の通りです。

  • 頚椎が変形して棘(とげ)ができる
  • 椎間板が潰れて頚椎同士の間が狭くなる
  • 靭帯が硬くなる

加齢により、さまざまな変化が起きます。クッションの役割をしている椎間板は、20歳頃から徐々に潰れてくるといわれています。

大体何歳くらいから発症する人が多いのでしょうか?

発症する年齢は40歳〜50歳を過ぎた方が最も多いです。加齢に伴う頚椎や頚椎周囲の変化が原因となるため、中高年以降の方に多い傾向にあります。男女比でいうと男性の方が多いです。また首を後ろにそらす回数が多い方・首がずっと同じ姿勢で固定されている方は発症しやすいなど、環境によっても多少の違いがあります。

10代でも発症することはありますか?

加齢変化が起きる前である10代の発症は稀なことが多いです。中には首に負担のかかるスポーツ(サッカー・柔道など)を行っていたり、首を後ろにそらしたりすることが多い作業に従事している10代〜20代での発症報告もあります。若年者の場合は、生活歴が原因であることが多いです。
また頚椎症と間違えられやすい病気として、平山病(若年性一側上肢筋萎縮)があります。発症は10代〜20代の男性が多く、特徴は手の筋力が低下することです。頚椎症との違いは痺れなどの感覚の異常が出ないことです。違いが少しわかりにくいため、注意して観察する必要があります。

編集部まとめ

診察室
頚椎は脊髄や神経を守るなど、人体において大切な役割があります。頚椎症は加齢の変化に伴い徐々に症状が出現してきますが、初期の症状が出現した際に早期から対応することが重要です。

日常生活での観察も怠らないようにしましょう。また頚椎への負担を減らすための生活の工夫・環境の調整をすることで、発症・進行の予防に繋がります。

頚椎症は早期より適切な対応をすることで、完治が可能な病気です。症状が出現した際には早期の受診も忘れないようにしましょう。

この記事の監修医師

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