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「頚椎椎間板ヘルニア」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?

 公開日:2025/04/15
頚椎椎間板ヘルニアの症状と原因

頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニアは、首・腕の痛みの他に手足の痺れを引き起こし、症状がひどくなると運動麻痺などの症状も出現して日常生活に支障をきたすことがある病気です。

年齢を重ねてきた人に多い病気といわれていますが、スマートフォンの使用・デスクワーク・激しいスポーツなどが原因で、実は若い人にもみられる病気なのです。

こちらの記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状などを詳しくご紹介いたします。

※この記事はMedical DOCにて『「頚椎椎間板ヘルニア」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

頚椎椎間板ヘルニアの症状と原因

首を触れる女性

頚椎椎間板ヘルニアはどのような病気ですか?

頚椎は、7個の椎骨と椎骨同士を繋ぐ6個の椎間板が交互に連なった構造です。頚椎の真ん中の脊柱管と呼ばれるトンネルには脊髄が通っており、さらに脊髄から神経根という細い神経が左右の手に向かって伸びています。
頚椎椎間板ヘルニアは、何らかの原因で椎間板の組織に亀裂が入って椎間板が後方に飛び出して、脊髄・神経根が急激に圧迫されて血行障害・神経症状を引き起こしてしまう病気です。

頚椎椎間板ヘルニアの症状を教えてください。

脊髄が圧迫された場合と神経根が圧迫された場合とで、症状は大きく異なります。脊髄が圧迫された場合を脊髄症といい、両手の痺れに加えて、両手を使う細かい作業(ボタンが留めにくい・箸が使いにくい・字が書きにくい・ページをめくりにくいなど)が困難になることが特徴です。両足も足先から徐々に痺れ、ふらつき・段差につまづくなどの歩行障害が生じます。症状は数日から数週間で急速に進行することが多いです。
また、神経根が圧迫された場合を神経根症といいます。首から片側の肩甲骨・腕・手指にかけて激しい痛み(放散痛)・痺れが生じ、首を後ろに倒すと症状が悪化して痛み・痺れの部分に脱力が生じるという特徴があります。
この激しい痛みは2〜3週間でピークを越え、数週間~数ヶ月で軽快することが多いです。場合によっては、鈍い痛み・痺れが残る場合もあります。

頚椎椎間板ヘルニアの原因は?

椎間板が飛び出してくる原因の1つとして、加齢性変化による椎間板の機能低下が挙げられます。椎間板は常に圧力のかかる状態にあるので、組織の中で最も劣化が進みやすく、椎間板が飛び出しやすくなるのです。
喫煙も血流悪化で椎間板の劣化を起こしやすくする原因となります。また頚椎は構造上外からの負担に弱く、姿勢・外力の影響を受けやすいため、パソコンを使った長時間のデスクワーク・首に負担のかかる重労働・接触の多いスポーツ(コンタクトスポーツ)なども椎間板が飛び出しやすくなる原因となります。

頚椎椎間板ヘルニアになりやすいのはどんな人ですか?

頚椎椎間板ヘルニアになりやすい人は以下のような人です。

  • 背骨に負荷のかかるような姿勢(パソコン・スマートフォンなどの多用)が多い人
  • 過度なストレスがある人
  • ラグビー・フットボール・格闘技・柔道などのコンタクトスポーツをする人
  • 喫煙している人
  • 遺伝的要因を持っている人
  • 加齢性変化(30~50歳代に多い)がある人
  • 外傷(転倒・転落・落下物による衝撃)のある人
  • 重労働を行う人

編集部まとめ

医療従事者
頚椎椎間板ヘルニアについて詳しくお伝えしました。知りたい情報は見つかりましたか。

頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板が何らかの原因で飛び出し、神経を圧迫刺激して痛み・痺れを引き起こす病気です。

圧迫する部位によって出る症状も異なり、受診・治療のタイミングが遅れると症状の更なる悪化を招き、手術治療が必要になってくることもあります。

首の痛み・手足の痺れがあり頚椎椎間板ヘルニアの可能性がある場合には、早めに整形外科を受診して、診断・治療を受けましょう。

この記事の監修医師

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