「潰瘍性大腸炎」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/04/16

今回は、国が定める指定難病のひとつである「潰瘍性大腸炎」について解説します。
潰瘍性大腸炎とは、近年増加している原因不明の炎症性腸疾患です。お腹の痛み・下痢・血便といった辛い消化器症状が現れます。
症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返し、長期にわたり付き合っていくことが必要な疾患です。
ただし、症状コントロールを行えば、発病前のように生活することは可能です。
※この記事はMedical DOCにて『「潰瘍性大腸炎」になると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
目次 -INDEX-
潰瘍性大腸炎の特徴
潰瘍性大腸炎とはどんな病気?
潰瘍性大腸炎とは、体の免疫機能に何らかの原因で異常が生じ、大腸の粘膜に炎症が起こる病気です。炎症は、大腸粘膜を直腸の粘膜から連続性におかし、潰瘍やびらんを形成します。
この炎症の広がり方によって、全大腸炎型・左側大腸炎型・直腸炎型、右側あるいは区域性大腸炎型に分類されます。炎症が進むと、下痢・粘血便・血便といった消化器症状が頻繁に現れるようになるのが特徴です。
原因不明の腸管の炎症性疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病があります。この原因不明の炎症性腸疾患をIBD(Inflammatory Bowel Disease)と呼びます。
IBDは潰瘍性大腸炎とクローン病という病気に分類され、これらの病気はどちらも国が定める指定難病です。
この炎症の広がり方によって、全大腸炎型・左側大腸炎型・直腸炎型、右側あるいは区域性大腸炎型に分類されます。炎症が進むと、下痢・粘血便・血便といった消化器症状が頻繁に現れるようになるのが特徴です。
原因不明の腸管の炎症性疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病があります。この原因不明の炎症性腸疾患をIBD(Inflammatory Bowel Disease)と呼びます。
IBDは潰瘍性大腸炎とクローン病という病気に分類され、これらの病気はどちらも国が定める指定難病です。
潰瘍性大腸炎の症状はどんなものがありますか?
主な症状は、腹痛・下痢・粘血便・血便・発熱などです。症状はだんだんと進行する一方ではなく、症状が良くなる寛解と、再び症状が悪くなる再燃を繰り返すのが特徴になります。
重症化すると、体重の減少・貧血・全身の倦怠感といった全身症状が引き起こされ、合併症を発症することもあります。
通常、下痢や腹痛などの症状が一週間程度で治まるようであれば、細菌やウイルスによる腸炎を疑うのが一般的です。しかし、潰瘍性大腸炎の場合は、数週間以上にわたり消化器症状が続きます。
いつから、どんな症状が続いているかといった情報は、他の感染性腸炎との鑑別に役立ちますのでメモしておくようにしてください。便の回数・性状・粘血便や腹痛の有無などの情報も重要です。
重症化すると、体重の減少・貧血・全身の倦怠感といった全身症状が引き起こされ、合併症を発症することもあります。
通常、下痢や腹痛などの症状が一週間程度で治まるようであれば、細菌やウイルスによる腸炎を疑うのが一般的です。しかし、潰瘍性大腸炎の場合は、数週間以上にわたり消化器症状が続きます。
いつから、どんな症状が続いているかといった情報は、他の感染性腸炎との鑑別に役立ちますのでメモしておくようにしてください。便の回数・性状・粘血便や腹痛の有無などの情報も重要です。
潰瘍性大腸炎の原因はなんですか?
潰瘍性大腸炎のはっきりとした発症原因は未だ明らかになっていません。遺伝的な素因・食生活・ストレス・腸内細菌の乱れ・免疫システムの異常などが複雑に関係しているようです。
遺伝子については、発症に関連している可能性のある遺伝子が研究により報告されています。ただし、その遺伝子で必ず発症するわけではなく、発症原因については研究が続けられています。
遺伝子については、発症に関連している可能性のある遺伝子が研究により報告されています。ただし、その遺伝子で必ず発症するわけではなく、発症原因については研究が続けられています。
どのような人が発症しやすいでしょうか?
4歳以下の乳幼児から80歳以上の高齢者まで幅広く発症する病気です。発症しやすい年齢は、男性の場合20歳から24歳、女性の場合25歳から29歳というデータが報告されています。男女で発症のしやすさに差はありません。
また、虫垂切除者は潰瘍性大腸炎の発症リスクが低いことや喫煙者は非喫煙者に比べて発症頻度が低いというデータも報告されています。
また、虫垂切除者は潰瘍性大腸炎の発症リスクが低いことや喫煙者は非喫煙者に比べて発症頻度が低いというデータも報告されています。
潰瘍性大腸炎は遺伝することはありますか?
遺伝子が関わっている可能性は示唆されていますが、必ずしも発症するわけではありません。様々な要因が複雑に絡み合って炎症が起こると考えられています。
編集部まとめ
今回は、潰瘍性大腸炎について解説しました。
下痢や粘血便が続くのは、とても辛いものです。思い当たる症状があれば、我慢せず、早めに受診することが重症化の回避につながります。
すでに治療中の人は、ストレスをこまめに発散し、体も心も健康に過ごせるように心がけてみてください。
もし症状が回復しても薬は途中で止めず、飲み続けることが大切です。病状や治療について不安に思うことがあれば、かかりつけ医に相談しましょう。