海外旅行後に「コレラ」感染した時の対処法は?治療法についても解説!【医師監修】
公開日:2025/07/01

コレラは、世界中に広がる感染症です。日本国内で感染する例は極めて少ないですが、海外渡航中に感染するなど日本人も感染しています。
コレラの治療方法や自分でできる対処法などをご紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「コレラ」の症状・感染経路はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
目次 -INDEX-
コレラの診断・治療法
コレラが疑われるときは何科を受診すべきですか?
水溶性の下痢が続くなど疑わしい症状がある場合は、内科・胃腸内科を受診しましょう。受診先に悩んだ場合は、お住まいの地域の保健所・福祉保健センターなどに相談するのも有効です。
万が一、感染しても軽症で済む場合がほとんどですが、稀に重症化すると症状が急速に進行する場合もあります。
疑いがあるときは、迅速に医療機関・保健福祉機関に連絡・相談することが大切です。
万が一、感染しても軽症で済む場合がほとんどですが、稀に重症化すると症状が急速に進行する場合もあります。
疑いがあるときは、迅速に医療機関・保健福祉機関に連絡・相談することが大切です。
コレラの診断はどのように行われますか?
診断は、便検査によって行います。
毒素を産出するO1 またはO139 血清型のコレラ菌が検出された場合、コレラと診断されます。
毒素を産出するO1 またはO139 血清型のコレラ菌が検出された場合、コレラと診断されます。
コレラにはどのような治療を行いますか?
軽症の場合は、まずは下痢によって失われた水分を補うために経口補水液を摂取します。脱水症状を防ぐための水分補給がコレラの治療の基本です。無症状・軽症の場合は、何もしなくても3~6日で自然に軽快する場合もあります。
しかし、重症の場合は、点滴治療・抗生物質を用いた治療が必要です。
WHOでは、1リットルの水に塩化ナトリウム3.5g・塩化カリウム1.5g・グルコース20g・重炭酸ナトリウム2.5gを溶かした経口輸液(ORS)の投与を推奨しています。抗生物質による治療は、下痢の期間の短縮につながり、脱水を軽減する効果があります。
しかし、重症の場合は、点滴治療・抗生物質を用いた治療が必要です。
WHOでは、1リットルの水に塩化ナトリウム3.5g・塩化カリウム1.5g・グルコース20g・重炭酸ナトリウム2.5gを溶かした経口輸液(ORS)の投与を推奨しています。抗生物質による治療は、下痢の期間の短縮につながり、脱水を軽減する効果があります。
自分でできる対処法を教えてください。
下痢によって体外に出てしまった水分を補うことが大切です。経口補水液を積極的に摂取しましょう。症状が軽度の場合は、経口補水液の摂取によって順調に回復する場合が多いです。
また、生後6ヶ月から5歳までの乳幼児において、亜鉛の摂取が補助的な治療になることがわかっています。
ただし、激しい下痢や嘔吐が続き、重い脱水症状がみられる場合は速やかに点滴による治療が必要となります。症状がみられる場合には、速やかに医療機関・保健福祉機関に連絡・相談しましょう。
また、生後6ヶ月から5歳までの乳幼児において、亜鉛の摂取が補助的な治療になることがわかっています。
ただし、激しい下痢や嘔吐が続き、重い脱水症状がみられる場合は速やかに点滴による治療が必要となります。症状がみられる場合には、速やかに医療機関・保健福祉機関に連絡・相談しましょう。
編集部まとめ
コレラと聞くと、命に関わる怖い感染症とイメージしている人も少なくないかもしれません。
しかし、現代では19世紀以前に多くの人が亡くなったものとは異なり、死亡率は2%と非常に低くなっています。
コレラは、適切な治療で治る病気です。適切な予防・対処がとれるように理解を深めておきましょう。
ただし、重症化する場合もあり死に至る可能性もゼロではありません。胃を切除された方・高齢の方は、重症化リスクが特に高いとされています。
命を守るためにも重症化リスクを抱えている人は、万が一の場合には速やかに医師に相談してください。