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怪我や病気で感じる「疼痛」は我慢しない方が良い?治療法について医師が解説!

 公開日:2025/06/17
「疼痛」の痛みの特徴・原因はご存知ですか?医師が監修!

疼痛とは怪我や病気で感じる痛みや辛さのことをいいます。言葉に表すことのできない痛みや感覚もあるでしょう。

そのために周りの人に痛みや辛さが伝わりにくく、より辛い思いをされる方も多いのです。
今回は特に神経障害性疼痛について解説していきます。治療法や痛みに対する対処法も紹介しています。

誰にもわかってもらえないと、痛みや辛さで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「疼痛」の痛みの特徴・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

疼痛の治療法

問診票

疼痛は放っておいてもよいですか?

疼痛といっても急性疼痛と慢性疼痛があるとお伝えしましたが、急性疼痛の場合はまず原因となる怪我や病気の治療が必要です。痛みによるサインで安静を保ち傷や病気を治すための免疫反応を呼び起こさせるなどの作用もあり、治療すれば短期間で改善される痛みです。
慢性疼痛の場合は傷が治っても長引く痛みのため、我慢してしまうことが多いのではないでしょうか。我慢することが大きなストレスとなってしまうことも少なくありません。ストレスを溜め続けると脳の機能が低下することがあり、かえって痛みを感じやすくなる場合もあるのです。
疼痛は我慢せずに受診して治療を受けることをおすすめします。

疼痛がある場合は何科を受診すべきですか?

疼痛の場合、その痛む箇所によって受診する科が違ってきます。骨や筋肉の痛みなら整形外科、頭痛が続く場合には脳神経外科や神経内科への受診が必要です。
神経障害性疼痛の場合、例えば帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害は皮膚科・神経内科・かかりつけ医への受診がよいでしょう。詳しい検査の結果、疾患が見つかれば治療のために適切な病院を紹介される場合もあります。
特定の怪我や病気は無いのに不快な痛みが長く続く場合には、大学病院や大規模病院の麻酔科ペインクリニック診療部門を受診することで客観的に痛みと向き合うことができる場合もあります。
痛みで不安な日々を過ごすのではなく、検査を行い適切な治療を行うことで痛みの軽減が期待できるのです。

神経障害性疼痛ではどのような検査を行いますか?

神経障害性疼痛を確定するためには、MRIやCTなどの画像検査で神経の伝導を確認します。その結果神経損傷や疾病があれば神経障害性疼痛の可能性が高くなります。
ただ直接どの部分の痛みを感じるのかなどの詳細については分かり難いため、スクリーニング質問票などでの評価をもとに診断されることが多いのです。

神経傷害性疼痛の治療法を知りたいです。

神経障害性疼痛と診断された場合には、次のような治療が行われます。

  • 痛みを緩和するための治療
  • 日常生活を通常に行うための治療
  • 生活の質を改善するための治療

まず痛みを緩和するための治療では薬物による治療や神経ブロック注射などが施されます。また脊髄に微弱な電流を流すことで痛みを緩和させる脊髄刺激療法も有効とされています。
このような治療を行いながら徐々に痛みを忘れさせ、痛みが無いのだという状況を脳に覚えさせることも治療の目的の1つです。
神経障害性疼痛の場合の治療は、痛みを完全に取り除くことを目的するのではなくて痛みを緩和することで生活の質を改善することを重視します。そして少しずつ痛みを忘れて痛みから離れた日常生活を送ることができるようにサポートすることも治療の一環なのです。

編集部まとめ

人差し指を立てる女性
疼痛には大きく分けて、急性疼痛と慢性疼痛の2つに分けられます。

急性疼痛は脳に伝わった痛みが怪我や病気のシグナルとして安静を促し、免疫反応を促進する効果のある痛みです。

慢性疼痛は怪我や病気が治癒した後にも続く痛みをいい、特に神経障害性疼痛は解明できない痛みも多く長く続くほどに心をむしばむこともあるのです。

痛みを我慢するのではなく、しっかりと痛みに向き合い自分の痛みに合った治療方法を探すことで必ず解決の糸口は見つかります。

前向きに好きなことを考えて身体を動かしながら日常生活を過ごすことも、痛みによるストレスを回避する1つの方法です。

この記事の監修医師

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