「巻き爪」が進行するとどうなるかご存知ですか?【医師監修】

巻き爪とは、爪の端が指の内側に巻き込むような形になることで、ほとんどの場合足の爪に起こります。
痛みだけでなく、歩き方や姿勢が悪くなるため、悪化すると腰や膝の痛みを起こす可能性がある病気です。
そこで本記事では、巻き爪になるのはなぜなのかを解説します。発生の原因・進行するとどうなるか・陥入爪との違いなどもご紹介するので参考にしてください。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
※この記事はMedical DOCにて『「巻き爪」になる原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
目次 -INDEX-
巻き爪の特徴
巻き爪とはどんな状態を指しますか?
しかし、病気や加齢によって立ち歩く動作が少なくなることで、爪の湾曲する性質を抑え込むことができなくなります。そのため、爪が巻きつくようになるのです。
巻き爪が発生するのはなぜですか?
- 爪の切り方が間違っている
- 爪へ過剰な力が働いている
- 指に力がかからない状態が長く続く
まず爪の切り方を間違っているケースが、大きな原因のひとつとして挙げられます。特に多いのが深爪となる切り方です。通常、立ったり歩いたりしていると、足の指には常に力がかかっています。深爪になっていると、足の指に力がかかった際に、爪先の皮膚が力を受けて盛り上がるような形状となります。その結果、真っすぐに爪が伸びることができず、両側が巻いたり厚みが増したりするようになるのです。足の指の巻き爪が多いのは、このメカニズムが手の爪よりも起きやすいためです。また、爪へ過剰な力が働いている場合にも発症しやすくなります。特に外反母趾の方や、足の形に合わない靴を履き続けている方がなりやすいです。
これは、歩いている際に指に加わる力が影響します。通常の足であれば地面からの力だけで済むのですが、外反母趾の方や足の形に合わない靴を履いている場合、人さし指が親指の上にかかるようになって上から押さえる力が加わり続けます。すると、過剰な力が爪に加わることとなるため、爪が真っすぐに伸びることができません。これによって巻き爪になりやすくなってしまうのです。
最後に、指に力がかからない状態が長く続いている場合も、巻き爪になりやすいです。特に足の指に力を入れずに歩く癖のある方や寝たきりの方は、親指に体重がかからないためこの条件に該当します。本来であれば、歩く際の地面から加わる力が、爪の丸まろうとする力に対して打ち消すように働きます。しかし、力が加わらない状態が続くと、爪の丸まろうとする力だけが働いてしまい巻き爪が進行してしまうのです。他にも、つま先を外側に向けて歩く癖がある方なども、地面から足の指に力が加わっていないため巻き爪になりやすい傾向があります。
巻き爪が進行するとどうなりますか?
腫れや赤みを伴う炎症を起こすため、強い痛みが生じるケースもあります。また、傷ができるとそこから細菌に感染して化膿する可能性も高いです。このように、巻き爪からさまざまな足のトラブルに発展する可能性があるため、進行を止めるための治療が必要です。
陥入爪との違いを教えてください。
一方で陥入爪は、爪が巻いているかは関係ありません。周囲の皮膚に爪先の側面が食い込んでしまっており、炎症を起こしている場合が陥入爪となるため、巻き爪になったからといってこの病気も併発しているとは限らないのです。しかし、陥入爪の原因のひとつには巻き爪があります。もちろん、巻き爪と陥入爪を同時に発症する場合もあります。この場合は、爪が深く皮膚に食い込んでいる可能性があるため、非常に強い痛みや炎症による腫れがでてくるでしょう。
巻き爪の痛みはどの程度ですか?
しかし、放置を続けていると爪の変形が進んでしまいます。場合によっては、先述したような陥入爪を併発する可能性もあるため、非常に強い痛みを伴うこともあります。特に指先は敏感であり、歩くたびに体重がかかってしまうため、強く痛むケースがあるのです。
編集部まとめ
巻き爪は、悪化すれば強い痛みを伴う病気です。症状が軽い際には、軽視してしまって放置してしまう方も少なくありません。
しかし、悪化してしまうと歩行も苦になり、治療も手術が必要となるケースがあります。ある程度の期間もかかってしまうため、大変な治療となるでしょう。
そのようなことにならないためにも、普段からできる巻き爪の予防を実践し、異変を感じた場合には専門の医療機関をすぐに受診することが大切です。