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「喘息」の特徴はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/05/10
「喘息」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!

喘息とは、何らかの原因により気道に慢性的な炎症が生じ、幅広い年齢層で起こる病気です。咳・疸・喘息発作などの症状がおこります。

身近な病気ではありますが、完治させることが難しい病気とも言われています。原因や治療方法など、詳しく把握しておきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、喘息がどのような病気なのかを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「喘息」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

喘息の特徴

看護記録

喘息の症状を教えてください。

この病気の主な症状としては、次のようなものが挙げられます。

  • 息苦しさ
  • 喘鳴
  • 胸苦しさ

喘鳴とは、呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューと音が出る症状です。症状の重さは、個人差がありますが、症状は発作的に現れます。
そして、夜間~早朝、季節の変わり目に発症しやすい傾向です。そしてあまりにも苦しく、急に動けなくなったり胸の痛みを感じたりするといった症状も現れることがあります。

何が原因で起こるのですか?

この病気の主な原因は、次のようなアレルギーによるものと、アレルギー以外によるものとに大別されます。アレルギーによる喘息は、次のような物質が原因です。

  • ダニ
  • ハウスダスト
  • カビ
  • ペット
  • 花粉
  • 食物

特にハウスダストは、アレルギー由来の中で最も多い原因です。ペットの抜け毛・フケも、ダニが増える原因ともなります。
アレルギー物質は、非常に細かく身近に大量に存在しており、誰しも発症する危険性があります。アレルギー以外の原因としては、次のようなものが代表的です。

  • ウイルス
  • タバコ
  • 肥満
  • 過労やストレス
  • 大気汚染
  • 気温・気圧
  • アルコール

風邪・インフルエンザなどのウイルスにより、炎症を起こす可能性があります。すでに喘息を患っている場合は、悪化の原因ともなります。また、アスピリンなどの解熱鎮痛剤の一部にも、喘息の原因となる物質を含む場合があるため、注意が必要です。
タバコは、身体への有害物質が含まれています。気道の炎症を引き起こし、悪化させる可能性があります。そして副流煙による受動喫煙も、大きな原因です。
肥満との関係は気にされない方が多いですが、アレルギー以外の喘息の場合、肥満を原因とするケースは多いです。肥満度が高くなると発症リスクが高く、悪化しやすいことがわかっています。肥満により気道が狭くなることと、脂肪細胞から分泌される物質が関わっていると考えられているためです。
過労やストレスも原因のひとつです。抵抗力を弱める原因となり、風邪・インフルエンザへの感染を招きます。その結果、喘息を発症するのです。また、ストレスによって自律神経が乱れると、気道が収縮することがあります。このことも喘息の発症リスクを高めます。
PM2.5などの大気汚染によっても、引き起こされる可能性が高いです。汚染物質によって気道が刺激され、炎症が起こるために発症します。
気温・気圧が急激に変動すると、気候が不安定となり発症しやすい傾向です。また、寒暖差も生まれることで風邪をひきやすくなり、発症リスクが高まります。
アルコールとも関係が深いです。摂取したアルコールは、体内に入るとすぐさまアセトアルデヒドに分解されます。この物質は有害物質であり、発作を誘発する可能性があるのです。

喘息と似た他の病気はありますか?

この病気と似た他の病気は、非常に多くあります。次のような病気が代表的です。

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • 百日咳
  • マイコプラズマ
  • 結核
  • 急性気管支炎
  • 肺がん
  • 胃食道逆流症
  • 後鼻漏

百日咳では、2週間以上の発作性の激しい咳を伴います。またマイコプラズマとは、高熱を伴う病気です。
急性気管支炎は、風邪やインフルエンザにより発症することがあります。後鼻漏は、鼻水が気管に流れる病気で、他の病気と同様の症状を伴います。
このように、非常に多くの病気が、似たような症状を発症するのです。また、風邪やインフルエンザなどの感染症がきっかけで喘息を発症することもあるため、注意が必要です。

編集部まとめ

医療従事者
喘息は身近な病気ですが、症状の内容や重症度も幅広いため、悪化した場合は非常に負担の大きい恐ろしい病気です。

しかし、治療薬を使えば、症状をコントロールし改善させることは十分できます。また、予防にも気をつければ悪化も防げます。

そのためにも、正しい対処方法や予防方法を身につけておくことは大切です。少しでも異変を感じたら、医療機関に相談し適切な対処を行いましょう。

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