「アセトン血性嘔吐症」の検査で何をするのか?治療方法についても解説!【医師監修】

主にお子様が嘔吐症状を周期的に繰り返す病気があります。古くは「自家中毒」とも呼ばれていましたが、近年では「アセトン血性嘔吐症」という病名がつきました。
ほとんどの患者さんがお子様ですが、まれに大人であっても発症することがあります。では、なぜ発症してしまうのでしょうか?
ここでは、あまりよく知られていないアセトン血性嘔吐症の検査や治療方法についてご紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「アセトン血性嘔吐症」を発症しやすい「年代」や「前兆となる症状」はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
アセトン血性嘔吐症の検査と治療方法は?
アセトン血性嘔吐症の検査方法を教えてください。
嘔吐の周期についても尋ねます。診察前半年間の間、嘔吐症状が何日続いたか、症状が何回みられたかというデータが必要です。
また、他の病気の可能性を調べる鑑別診断のため、尿検査や血液検査でケトン体の測定を行うこともあります。ただし、周期的な嘔吐症状は他の病気でもみられます。問診と各種検査をあわせて総合的に判断されることが多いです。
どのような治療を行うのですか?
もし症状が重く、薬や水分も吐き出してしまい脱水症状を起こした場合は点滴で水分と糖分を補給します。嘔吐症状が落ち着いてからは水分をこまめに摂り、スポーツドリンクなどで糖分を補給すると数日で間欠期へ移行します。
症状は発作的に起こるため、日頃からこまめに糖分を補給するといった対策でも軽症化を図ることが可能です。お子様の場合は年齢とともに自然と症状がみられなくなることが多いです。
再発する可能性はあるのでしょうか?
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お子様の場合は思春期を越えると症状がみられなくなります。ただし、4歳~6歳といった早い段階で発症すると、10歳までに再発する可能性はあります。
もし発症原因がわかっているのであれば、それを避けた生活によって再発を避けることが可能です。チョコレートなど一部の食品の摂取が原因で発症するのであれば、該当する食品を避けることでも対処できます。
お子様・成人に関わらず、まれに片頭痛に移行するケースがあるため、長期にわたる経過観察が必要になります。
編集部まとめ
アセトン血性嘔吐症は周期的に嘔吐症状を繰り返してしまう病気です。激しい嘔吐を繰り返すため、年齢にかかわらず症状が出るとぐったりとしてしまいます。
もし診断された場合は、日頃から糖不足にならないようこまめに水分と糖分を摂取することで軽症化が可能です。
そのため、症状が出た時のためにスポーツドリンクなどを用意しておくようにしましょう。吐き気止めを処方された場合は、前兆症状(頭痛や腹痛)が出た時に服用してください。