「血行障害」を発症する原因はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/03/14

血液の流れが滞り血管が狭くなるなどの障害を「血行障害」と呼びます。血行障害は、実は動脈硬化と切っても切り離せない関係にあるのです。
では血行障害になるとどんな症状が起きるのでしょうか?治療方法はあるのでしょうか?
ここでは、血行障害の起こる原因・検査で気をつけなければいけないことについて解説します。また、血行障害の治療方法や予防方法についてもご紹介します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
※この記事はMedical DOCにて『「血行障害」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
目次 -INDEX-
血行障害が起こる原因と検査方法
血行障害の原因はなんでしょうか?
原因は主に動脈硬化や外傷による血管の圧迫です。動脈硬化は血管の過剰な収縮や血栓ができやすくなる血栓形成傾向によって引き起こされます。これによって血管が硬くなり、本来あったはずの弾力性が失われ血液が詰まりにくくなる=血行障害が生じてしまいます。
動脈硬化にも種類があり、脳梗塞などの原因になるのが「粥状動脈硬化」です。粥状動脈硬化は動脈内膜に悪玉コレステロールなどが沈着してしまい、血液の通り道が細くなり詰まりやすくなる血行障害です。粥状動脈硬化は太い動脈で起こりやすいのに対し、細い動脈が硬化することは「細動脈硬化」と呼ばれています。
細い動脈は血管壁がもろいため、硬化が進行すると血管が破裂する可能性が高いです。一方、血行障害の原因として考えられるものとして血管の圧迫があります。骨折などの外傷によって血管が圧迫されて発症する障害です。外傷性の場合は血管の圧迫度合いによって緊急性が高くなり、処置が遅れると後遺症が残る可能性が高くなってしまいます。
動脈硬化にも種類があり、脳梗塞などの原因になるのが「粥状動脈硬化」です。粥状動脈硬化は動脈内膜に悪玉コレステロールなどが沈着してしまい、血液の通り道が細くなり詰まりやすくなる血行障害です。粥状動脈硬化は太い動脈で起こりやすいのに対し、細い動脈が硬化することは「細動脈硬化」と呼ばれています。
細い動脈は血管壁がもろいため、硬化が進行すると血管が破裂する可能性が高いです。一方、血行障害の原因として考えられるものとして血管の圧迫があります。骨折などの外傷によって血管が圧迫されて発症する障害です。外傷性の場合は血管の圧迫度合いによって緊急性が高くなり、処置が遅れると後遺症が残る可能性が高くなってしまいます。
ストレスも関係しますか?
ストレスが遠因となることもあります。ストレスを感じて自律神経が乱れると、血液の循環がうまくいかなくなることがあります。慢性化すると血管を収縮させるホルモンが大量に分泌され、血管が狭くなってしまうのです。これによって起こるのが末端冷え性や肌トラブルです。
血管や循環器系の疾患は疑うべきでしょうか?
血管や循環器系の疾患を疑うべきです。たとえ血行障害が生じているのが一部の血管だとしても、他の部位にも虚血性疾患を発症している可能性が高いです。何らかの理由で動脈硬化が起こっているのであれば、他の血管でも同様の現象が起こる可能性が非常に高くなります。身体のどこかで血行障害が生じているのであれば、血管や循環器系の疾患も疑い、全身を精査することが必要です。
検査方法や検査の際に気をつけることについて教えてください。
血行障害の疑いがある場合、まずは足首と上腕の血圧を測定します。この検査は国際的に「Ankle Brachial Pressure Index(足首/上腕血圧比)」=ABIと呼ばれている検査です。2部位を同時に測定すると、通常であれば血圧に差が出ません。
しかし下肢に血行障害が出ている場合には下肢の血圧が、上腕に血行障害が出ている場合には上腕の血圧がそれぞれ下がります。この差を計測することによって重症度がわかります。極端に血圧が低い場合、ほぼ血管が閉塞してしまっている閉塞性血行障害の可能性が高いです。
また、血流測定・CT・MR・動脈造影検査・エコー検査など様々な視点から検査を行います。全身検査が必要になるため、検査の数は非常に多いです。しかし、狭心症や脳血管障害など思わぬ病変が見つかることもあるため、検査はしっかりと受けるようにしてください。
しかし下肢に血行障害が出ている場合には下肢の血圧が、上腕に血行障害が出ている場合には上腕の血圧がそれぞれ下がります。この差を計測することによって重症度がわかります。極端に血圧が低い場合、ほぼ血管が閉塞してしまっている閉塞性血行障害の可能性が高いです。
また、血流測定・CT・MR・動脈造影検査・エコー検査など様々な視点から検査を行います。全身検査が必要になるため、検査の数は非常に多いです。しかし、狭心症や脳血管障害など思わぬ病変が見つかることもあるため、検査はしっかりと受けるようにしてください。
編集部まとめ
血行障害は下肢に起こるものが多いです。しかし、血管が狭くなったり血行が悪くなる疾患のため、症状が起こる部位は下肢だけとは限りません。
原因として最も多いのが動脈硬化です。動脈硬化は生活習慣によっても引き起こされるため、日頃から食生活に気をつけるなどの対策をしていると血行障害の予防にもなります。
発症した場合、原因を取り除く治療を行わなければいずれ心血管障害に進行する可能性が非常に高いです。
血行障害の症状としては、歩いているとふくらはぎなどが痛くなるが休憩すると痛みがなくなる間欠性跛行という歩行に関する症状もあります。
こういった症状や手足の冷感や安静時の疼痛がある場合は、医師の診察を早めに受けるようにしましょう。
参考文献