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「血行障害」を発症すると手や指にどんな症状が現れる?【医師監修】

 公開日:2025/02/27
血行障害が起こる部位や症状

血液の流れが滞り血管が狭くなるなどの障害を「血行障害」と呼びます。血行障害は、実は動脈硬化と切っても切り離せない関係にあるのです。

では血行障害になるとどんな症状が起きるのでしょうか?治療方法はあるのでしょうか?

ここでは、血行障害の起こる部位・症状について解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「血行障害」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

血行障害が起こる部位や症状

手首を握る女性

血行障害はどのような病気ですか?

血行障害は様々な部位の血行が滞る障害の1つです。血行不良と混同されがちですが、正確には違うものです。血行不良は血液自体がドロドロになり流れにくくなるのに対し、血行障害は血管の一部が狭くなったり閉塞することにより起こる障害とされています。
初期症状の段階では手足の痺れや疼痛が一般的です。進行すると血流がなくなってしまった部分の壊死や潰瘍の出現がみられます。血行障害の中でもっとも症例が多いのが足をはじめとした下肢部分です。
代表的なものとして「下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)」「エコノミークラス症候群」が知られています。ASOは「末梢動脈疾患(PAD)」とも呼ばれており、血行障害でも特に足に関する症状を多く引き起こす疾患です。

足以外で血行障害が起こる部位はありますか?

足以外にも血行障害は起こります。ほとんどが手足などの四肢ですが、血管がある部位であればどこであっても血行障害が起こりうるため、四肢だけに限らず全身に発症の可能性があるということです。
ただし、血行障害によって起こる症状の多くは指や手足などの末端部分に起こります。末端部分は血液が行き届きにくく、血流が滞りやすい部分です。そこに行き着くまでの動脈になんらかの血行障害が起こると、末端部分まで血流がさらに行き届きにくくなり、神経が変性して疼痛などの症状が末端に出てしまうのです。

手や指にも症状が出ると聞きますが…

上腕から手にかけての血管に血行障害が起きると、手指にも症状が出ます。手指に症状が出たとき、多くの場合は軽度のしびれを伴います。重症化して血流が途絶えると壊死して切断せざるをえなくなる状態にまで進行してしまうため、放置してはいけません。
また、血流が途絶えると周囲の神経も死んでしまいます。死んだ神経は元に戻らないため、たとえ血流を改善させたとしても痺れや筋縮といった症状は残ってしまいます。

編集部まとめ

ストレッチをする男性
血行障害は下肢に起こるものが多いです。しかし、血管が狭くなったり血行が悪くなる疾患のため、症状が起こる部位は下肢だけとは限りません
原因として最も多いのが動脈硬化です。動脈硬化は生活習慣によっても引き起こされるため、日頃から食生活に気をつけるなどの対策をしていると血行障害の予防にもなります。

発症した場合、原因を取り除く治療を行わなければいずれ心血管障害に進行する可能性が非常に高いです。

血行障害の症状としては、歩いているとふくらはぎなどが痛くなるが休憩すると痛みがなくなる間欠性跛行という歩行に関する症状もあります。

こういった症状や手足の冷感や安静時の疼痛がある場合は、医師の診察を早めに受けるようにしましょう。

この記事の監修医師

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