異食症かも?氷や紙を食べる…気になる行動と治療法を医師が解説!
公開日:2025/06/29

異食症とは、氷・土・毛髪を始めとした「本来食べない物」「栄養がない物」を食べてしまう疾患です。
異食症自体に重篤な症状はないですが、食べてしまった物によっては身体に不調をきたします。そのため、今後のためにも治療が必要な疾患です。
では、異食症はなぜ引き起こされてしまうのでしょうか?どのような人が異食症になってしまうのでしょうか?
今回は、異食症の症状や原因・検査方法・治療方法を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「異食症」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
異食症の受診と治療方法
異食症を疑った際の受診の目安を教えてください。
少なくとも1ヶ月以上もの間に食べ物ではない物を食べてしまうのであれば受診するようにしてください。
もし常態化している場合、隠れて食べているなどが原因で腹痛になる場合があります。異食症自体が身体の不調を引き起こすわけではありません。しかし、土などの食べ物ではない物を食べる場合は、いずれ消化器官系の病気を引き起こす可能性があります。
もし常態化している場合、隠れて食べているなどが原因で腹痛になる場合があります。異食症自体が身体の不調を引き起こすわけではありません。しかし、土などの食べ物ではない物を食べる場合は、いずれ消化器官系の病気を引き起こす可能性があります。
何科を受診すれば良いですか?
異食症が疑われる場合、幼児・成人問わず心療内科・精神科のどちらかを受診するようにしてください。
ただし、食べてしまった物によって腹痛や下痢など明らかな不調が出ている場合は、まずは内科で治療を受けましょう。その後、心療内科・精神科で原因を改善するように心がけてください。
ただし、食べてしまった物によって腹痛や下痢など明らかな不調が出ている場合は、まずは内科で治療を受けましょう。その後、心療内科・精神科で原因を改善するように心がけてください。
どのような検査方法がありますか?
検査方法はありません。アメリカ精神医学会が出版した精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5もしくはDSM-10)を基準として診断されます。診断基準は以下のとおりです。DSM-5を基準として記載します。
- 最低でも1ヶ月間にわたり、栄養がない・食べ物ではない物を継続して食べる
- 異食行為が標準的な慣習ではない
- 異食行為が文化的に容認される社会に所属しているわけではない
- 異食行為が統合失調症などの他の精神疾患や、妊娠などの医学的疾患を背景にしている
成人でこれらの基準を満たしている場合、異食症として診断されます。
治療方法が知りたいです。
異食症の治療方法は確立されていません。ほとんどの行動変容法が改善の助けになります。行動変容法とは、行動理論を用いて望ましい行動ができる・望ましくない行動をやめるように変えていく方法です。
不安軽減法(レスポデント条件付に基づく療法)と行動形成法(オペラント条件づけに基づく療法)に分けられますが、異食症の場合は自発的な行動(オペラント行動)になるため行動形成法がとられます。
ただし、異食行為によって腸閉塞や消化器官系の疾患にかかった場合は先にその症状の治療が必要です。また、子供の場合は周囲の環境を改善することで数カ月後に自然と症状が軽減されることがあります。
不安軽減法(レスポデント条件付に基づく療法)と行動形成法(オペラント条件づけに基づく療法)に分けられますが、異食症の場合は自発的な行動(オペラント行動)になるため行動形成法がとられます。
ただし、異食行為によって腸閉塞や消化器官系の疾患にかかった場合は先にその症状の治療が必要です。また、子供の場合は周囲の環境を改善することで数カ月後に自然と症状が軽減されることがあります。
手術が必要なこともあるのでしょうか?
異食症の症状だけでは手術は必要ありません。ほとんどの場合心療内科的治療がとられます。薬物治療もありません。
ただし、異食行為によって腸閉塞が起きるか消化器官の病気が引き起こされてしまうと、手術が必要になる場合があります。異食症によって食べた土から感染症を引き起こす可能性もあるため、食べてしまった物によっては注意が必要です。
ただし、異食行為によって腸閉塞が起きるか消化器官の病気が引き起こされてしまうと、手術が必要になる場合があります。異食症によって食べた土から感染症を引き起こす可能性もあるため、食べてしまった物によっては注意が必要です。
編集部まとめ
異食症は、誰でも起こりうる疾患ではありません。ただし、小さなストレスが積み重なったり、栄養が不足していたりなどの理由から引き起こされることがあります。
だからこそ日々の積み重ねで予防できる疾患ともいえます。乳幼児や認知症患者の場合は異食行為を見かけたら優しくやめさせることが大事です。
もしご自身が異食の欲求に耐えられなくなってきたら、もしかすると栄養が足りていないかもしれません。