「周期性嘔吐症の予防法」はご存じですか?食事の注意点も医師が解説!
公開日:2025/11/04

周期性嘔吐症は、周期的に嘔吐・腹痛・頭痛などを繰り返す病気です。患者さんによって症状はさまざまで、小児だけでなく大人も発症します。
ひどい嘔吐や腹痛などを周期的に繰り返すため、本人も家族も不安になることでしょう。
今回は周期性嘔吐症について質問にお答えしましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「周期性嘔吐症」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
目次 -INDEX-
周期性嘔吐症の予後

周期性嘔吐症は完治するのでしょうか?
- 小児の周期性嘔吐症は大人になるにつれて症状が出なくなり、完治することも多いです。悲観的にならずに原因となるトリガーを避けるようにしましょう。
- 大人の場合は特に発作の起こる前の間欠期に発作が予知できることが多いので、予防することで症状を軽減させることが可能です。
- また詳しく検査することで最終的な診断がくだされ、その病気に適した治療を行うことで根治的な治療が期待できます。
周期性嘔吐症の予防方法が知りたいです。
- 周期性嘔吐症の原因の多くは心因的なものです。原因を踏まえた上で、予防のために気を付けたいことを挙げてみましょう。
- トリガーとなる事柄を避ける
- 規則正しい生活を心掛ける
- バランスの良い食生活を心掛ける
- ストレスを軽減する
- まずは原因となる不安や嫌なことを、できるだけ避けるようにすることが大切です。規則正しい生活やバランスの良い食事は身体や心を健やかにしてくれます。特に小児の場合は少しの気配りで心のバランスを取り戻すことが多く、ストレス緩和にもつながります。
周期性嘔吐症の患者が食事で気をつけることを教えてください。
- 特に食事の制限などはありませんが、トリガーになりやすいチョコレート・チーズ・アレルギーの元となるような食物は控えるようにしましょう。
- 偏った食事は良くありません。バランスの良い食生活が送れるように気を付けてください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 周期性嘔吐症はさまざまな症状が重なり合って現れる病気で、大人も発症しますが特に小児に発症することの多い病気です。
- 小児の場合は発症から2年〜5年ほどで自然に完治する可能性が高いのも特徴です。大人の場合は間欠期から事前に予防することで発作期の症状の辛さを軽減させることが可能になります。
- 発作期は嘔吐や腹痛を繰り返すので気持ちも暗くなりがちですが、必ず好転する病気だと信じて、規則正しくストレスのない生活を送ってください。
編集部まとめ

周期性嘔吐症について解説しました。小児だけでなく大人にも発症する病気ですが、診断のつきにくい病気でもあります。
周期性嘔吐症という名前の通り、周期的に症状が現れるのが大きな特徴です。
受診のときにはあらかじめ症状に周期があることを記録しておき、医師にその旨伝えるようにしましょう。
心理的なカウンセリングや認知行動療法を実践することによって、発作頻度や有意症状の軽減緩和につながる可能性が大きいです。心穏やかに、ストレスのない生活を送るようにしてください。