「ジュベール症候群(指定難病177)」の検査・治療法はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/02/04

ジュベール症候群は遺伝子異常による先天性疾患で、国の指定難病に登録されています。
多くの場合、乳児期早期に発見されますが、聞き慣れない病名に戸惑う親御様も多いことでしょう。
本記事では、ジュベール症候群の検査・治療法をご紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「ジュベール症候群(指定難病177)」の兆候となる症状はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
五藤 良将(医師)
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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。
ジュベール症候群の検査と治療方法
どのような検査で診断されますか?
有馬症候群を除き、ジュベール症候群関連疾患の診断はDefinite・Probable を対象として行われます。
- Definite:精神運動発達遅滞・(主に乳児期の)筋緊張低下または運動失調の存在あるいは既往・頭部MRI所見でMTSを有する脳幹や小脳虫部の形成異常が見られる場合
- Probable:精神運動発達遅滞・(主に乳児期の)筋緊張低下または運動失調・異常な呼吸(無呼吸・多呼吸・失調呼吸)・頭部 MRI所見でMTSはないが小脳虫部の形成異常がある場合
上記の症状があり、かつ下記の病気が認められない場合はジュベール症候群の可能性が高まります。
- アーノルド・キアリー奇形
- ダンディー・ウォーカー症候群
- コーガン症候群
- 遺伝性及び孤発性小脳形成異常
- くも膜嚢胞
- 脊髄小脳変性症
- MRI検査
- CT検査
- 網膜電位
- 血液検査
- 脳波検査
- 尿検査
- 染色体検査
- 腹部エコー検査
上記のような病気とジュベール症候群を見分けるには、次のような検査が行われます。
代表的なのは脳のMRI検査です。MRI検査とは、磁気を利用した機械で脳の様子を撮影する方法です。
治療方法が知りたいです。
病気を根本的に治療する方法は確立されていません。この病気は、発症原因や病態が不明であるためです。そのためジュベール症候群の治療法は、原則として「対症療法」となります。
対症療法とは、各症状の軽快を目的とした治療方法です。たとえば精神運動発達の遅れにはリハビリ・療育によって対処します。
また、この病気では進行性腎障害を合併することが非常に多いです。腎障害を放置すると、腎不全などに発展して命を落とすこともあります。
そのためジュベール症候群の治療では、腎障害の治療も並行して行われることがほとんどです。代表的な治療法は透析ですが、必要があれば腎移植が選択されることもあります。
対症療法とは、各症状の軽快を目的とした治療方法です。たとえば精神運動発達の遅れにはリハビリ・療育によって対処します。
また、この病気では進行性腎障害を合併することが非常に多いです。腎障害を放置すると、腎不全などに発展して命を落とすこともあります。
そのためジュベール症候群の治療では、腎障害の治療も並行して行われることがほとんどです。代表的な治療法は透析ですが、必要があれば腎移植が選択されることもあります。
難病なのでしょうか?
ジュベール症候群関連疾患は国の指定難病177番に登録されています。177番にはもともと有馬症候群が登録されていましたが、平成30年4月より有馬症候群を含むジュベール症候群関連疾患に変更となりました。
編集部まとめ
ジュベール症候群は遺伝子異常による先天性疾患です。発症原因・病態は解明されておらず、有効な治療法も確立されていません。この病気ではさまざまな症状があらわれますが、適切な治療を受ければ、ある程度の改善も見込めます。できる限り症状をコントロールするためにも、発症が疑われる時点で医療機関を受診してください。