「ジュベール症候群(指定難病177)」の兆候となる症状はご存知ですか?【医師監修】

ジュベール症候群は遺伝子異常による先天性疾患で、国の指定難病に登録されています。
多くの場合、乳児期早期に発見されますが、聞き慣れない病名に戸惑う親御様も多いことでしょう。
本記事では、ジュベール症候群の特徴をご紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「ジュベール症候群(指定難病177)」の兆候となる症状はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
五藤 良将(医師)
目次 -INDEX-
ジュベール症候群の特徴
ジュベール症候群とはどのような病気なのか教えてください。
症状は多岐にわたり、あらわれる種類・程度は個人差が大きいのが特徴です。劣性遺伝する病気で、発症に至るのは未発症の両親から異常な遺伝子を1個ずつ受け継いだ子供と考えられています。
発症者は新生児8万人~10万人に1人と指摘されていますが、確かな発症率は分かっていません。日本国内の患者数は、2015年の調査時点では100人と推定されています。
代表的な症状を知りたいです。
- 精神・知能障害
- 運動障害
- 呼吸の異常(過呼吸・無呼吸)
- 眼球の運動の異常
- 視覚障害
- 腎障害
- 肝機能障害
- 痙攣
- 指の形態異常
精神運動発達の遅れはほぼすべての患者にみられます。腎障害は進行性であることが多く、幼くして人工透析が必要になるケースや、腎不全で亡くなるケースも少なくありません。また、ジュベール症候群では顔貌に次のような特徴があらわれます。
- 額が広い
- 弓なりの眉
- 両目が離れている
- 瞼が垂れ下がっている
- 耳が低い位置にある
- 口が三角形
いつ、どのような兆候が現れますか?
- 首が据わらない
- 寝返りや身動きをせず、じっとしている
- 手を握っても握り返さない
- 目が合わない
- 表情が動かない
- 黒目が上下左右に細かく震えている
- 呼吸が速い・遅い
症状の出現時期・種類・程度は人によってバラつきがあります。症状が軽い方であれば、兆候があらわれていても、周囲がすぐ気づけないかもしれません。
ジュベール症候群になる原因を教えてください。
ジュベール症候群に関連する病気はありますか?
- 有馬症候群
- セニオール・ローケン症候群
- COACH症候群
- 口-顔-指症候群
上記の病気・ジュベール症候群・小脳虫部の欠損・精神運動発達などの症状を総称して「ジュベール症候群関連疾患」と呼ぶこともあります。
編集部まとめ
ジュベール症候群は遺伝子異常による先天性疾患です。発症原因・病態は解明されておらず、有効な治療法も確立されていません。この病気ではさまざまな症状があらわれますが、適切な治療を受ければ、ある程度の改善も見込めます。できる限り症状をコントロールするためにも、発症が疑われる時点で医療機関を受診してください。