「慢性上咽頭炎」の診断基準とは?治療法についても解説!【医師監修】
公開日:2025/06/16

慢性上咽頭炎とは、のどのイガイガを始め、肩こり・首こりといったさまざまな症状を引き起こす可能性がある病気です。
さまざまな症状を起こして体調不良をもたらす病気ですが、いざ原因を調べてみるとすぐにわからないケースがあります。
そこで本記事では、慢性上咽頭炎の症状についてご紹介します。受診を検討する目安や治療法についても解説するので、参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「慢性上咽頭炎」とは?セルフチェック法・症状・原因も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
五藤 良将(医師)
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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。
慢性上咽頭炎の診断と治療方法
受診を検討する目安を教えてください。
- 受診を検討する目安としては、症状の慢性化を防ぐために1週間~2週間のどや鼻の奥の痛み・違和感を感じた場合に受診するようにしましょう。
- この期間ののどの痛みなどの症状は、ちょっとした違和感程度しか感じない方もいるかもしれません。しかし、慢性化した際には、めまいや全身の倦怠感など、症状が広がり生活の質を下げる可能性もあります。そのため、違和感を感じた際にはできるだけ早く受診するようにしましょう。
どのような検査を行いますか?
- 診断を受けて、病気の検査をする場合、以下のような検査内容を受けることとなります。
- 問診
- 鼻内視鏡検査
- 擦過診
- 問診では、自覚症状を確認することから始まります。鼻内視鏡検査では、鼻の奥を観察して炎症状態を確認する検査方法です。この病気の場合は、うっ血状態が確認できたり、むくみで静脈が見えづらくなっていたりするので判断できます。擦過診は、患部を擦って出血や痛みがあるかを確認する方法です。
診断基準があれば教えてください。
- 診断基準としては、免疫に関係のあるリンパ球の活性化が見られるかどうかです。
- 上咽頭は、通常の状態でもリンパ球がある程度活性化している部位になります。これは、空気によく触れる所でさまざまなウイルスなども付着する可能性があるためです。
- 免疫機能によって、これらの感染を防ぎます。しかし、上咽頭の慢性的な炎症が起きていると、さらにリンパ球の活性化が見られます。また、同時にサイトカインという炎症物質を生んで血液に流れてしまっているため、それを検出できればこの病気にかかっていると判断できるでしょう。
慢性上咽頭炎の治療方法が知りたいです。
- 主な治療方法は、次のようなものが挙げられます。
- ネブライザー治療
- 鼻洗浄
- 薬物療法
- Bスポット治療
- ネブライザーとは、薬の吸入治療のことです。Bスポット治療とは、消炎剤を直接擦過して塗る方法です。薬を直接擦るので、出血や痛みを発生させる可能性があります。子供からでも行える治療方法で、効果も立証されていることからこのような治療方法を行うことが多いです。
編集部まとめ
慢性上咽頭炎は、のどの痛みだけでなく全身の倦怠感・痛み・めまいなどさまざまな症状を発生させます。
免疫力も低下した状態なので、関節炎や皮膚疾患などさらに合併症を引き起こす可能性も高いです。
悪化をさせないためにも、治療中・治療後の予防やセルフチェックなどの正しい情報を身につけて、速やかに治しましょう。万が一異変を感じた場合は、医療機関に相談してみてください。