「急性腸炎の回復」は数日?数週間?治療法についても解説!【医師監修】
公開日:2025/07/01

腹痛を伴う嘔吐や下痢…冬に流行ることの多い、いわゆる「お腹からくる風邪」ともいわれる症状がある場合は、急性腸炎の可能性が高いです。
お子さんをお持ちの方のなかには、寒くなると毎年のようにお腹の風邪が周りで流行って保育園などで拾ってきて、我が子も罹患するという方も少なくありません。
急性腸炎になったら、早く回復するためにも患者さんの食事や過ごし方に注意する必要があります。どのように過ごすのが良いのでしょうか。
今回は急性腸炎の検査・治療について解説をしていきます。
※この記事はMedical DOCにて『「急性腸炎」とは?症状・原因・ストレスとの関係についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
急性腸炎の検査方法と治療方法
診断ではどのような検査を行いますか?
- 腸炎と疑われる場合は、最初に問診を行い症状や発症する前の食事内容や時間をお聞きし、触診で腹痛の具合や腹部・全身の状態の確認を行います。症状のみで診断をされることも多いです。
- また、必要に応じて血液検査・便検査・大腸カメラによる検査を行い感染・炎症の有無を確認し、確定診断を行うこともあります。
どのような治療を行いますか?
- 腸炎の基本的な治療は、絶食と水分の補給です。症状が軽い場合は脱水対策と食事療法で回復する可能性があります。
- ただ、複数回の下痢や嘔吐などがある場合は病院で診断を受けて適切な治療をうけましょう。
- 病院では脱水対策と食事療法の指導を行い、状態によって整腸剤や吐き気止めなどの薬物も使用します。
- ただ、感染性腸炎の場合は、悪いものを出し切ってしまうことが重要です。無理に下痢を止めることはしません。
- 食中毒など細菌による腸炎の場合は、抗生剤を使います。非感染症腸炎の場合は、原因に合わせた治療が必要です。
急性腸炎はどのくらいで治りますか?
- 急性腸炎は数日で回復することがほとんどで、嘔吐は1~2日・下痢は数日~数週間続くことはありますが、徐々に回復していきます。
- 正しい処置を行っていれば、長引いても1~2週間でおさまることが多いです。
- もし1ヶ月以上下痢が続く場合は、慢性の下痢症状の可能性があります。あまりに長く症状が続いている場合は、再度病院を受診してください。
編集部まとめ
今回は、急性腸炎についての解説をしてきました。下痢や嘔吐など罹患すると、患者さんは少し辛い疾患です。
しかし、感染しても食事など正しく対策をしていれば治癒も早くなります。
感染対策と脱水への対策を徹底し、病院で医師から食事の指導をされた場合は、しっかり守って重症化を防ぐことが大切です。
状況によっては、病院を受診して状態にあった処置をしてもらうようにしましょう。腸炎にかからないように、日ごろから手洗いうがいも心がけてください。