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「胆管炎」になったら入院が必要?検査や治療について解説!【医師監修】

 公開日:2025/06/20
胆管炎の検査と治療方法

胆管炎は、 胆管が何らかの理由により狭まった結果、細菌感染を起こす病気 です。

胆管は肝臓で作られた胆汁の通り道ですが、結石などで管が閉塞してしまった場合胆汁がうっ滞してしまい、細菌に感染してしまいます。

この病気は、代表的な症状として黄疸・腹痛・激しい発熱を伴い、重症な場合は細菌が全身にまわって敗血症などの重篤な病気へと進行する可能性があります。

今回はそんな胆管炎の検査や治療方法、期間までを紹介しましょう。

※この記事はMedical DOCにて『「胆管炎」とは?症状・原因・治療法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

胆管炎の検査と治療方法

お腹の検査

診断ではどのような検査を行いますか?

  • まずは血液検査で、全身の炎症を反映する数値や、肝胆道系酵素と呼ばれる胆汁のうっ滞を反映する数値の上昇を確認します。次に腹部エコー検査で、胆管の様子や詰まりの原因を調べます。さらに腹部CT検査・腹部MRIで胆管をしっかりと観察し、炎症の症状と原因をより詳細に調査して終了です。最終的に、発熱・血液検査による炎症反応、画像検査で胆管炎の疑いのある所見があれば胆管炎との診断を下しています。

胆管炎の治療方法を教えてください。

  • 胆管炎は軽症・中症・重症に分類されますが、いずれも抗菌薬にて胆管内及び全身の細菌感染を鎮める処置を行います。軽症の場合はこれで経過を見て、原因となっている症状について今後の治療方針を立てることもありますが、中症・重症の場合はドレナージによって胆管内の閉塞を解消して溜まった胆汁を外に出す処置 を行います。ドレナージは特殊な内視鏡を用いて胆管内にチューブを入れる方法がまず採用されますが、一方でそれが難しい場合は体外からのチューブ挿入を選択することもあるので、どちらの方法が取られるかは一概にはいえません。そして、炎症の治療と同時に、その原因が結石や悪性腫瘍となっている場合は、それを取り除く治療も必要です。

胆管炎の治療期間はどのくらいでしょうか?

  • 重症度や原因にもよりますが、胆汁を排出するドレナージ治療の後 胆石を取り除く治療が必要な場合、腹腔鏡手術を実施する際は5日〜1週間の入院が必要です。腹腔鏡手術が難しく、開腹手術を行う場合は入院期間が1週間〜10日程度となります。また悪性腫瘍が炎症の原因となっていた場合は、そちらの治療もあわせて行わなければいけません。

編集部まとめ

酔っぱらった男性
胆管炎は、胆管が結石・悪性がんにより閉塞され、滞留した胆汁が細菌に感染することで起こる病気です。

軽症の場合の治療は難しくありませんが、重症の場合は敗血症などに繋がるおそれがあり、命を落とすケースがある危険な病気です。

治療は炎症を鎮める抗菌薬の投薬だけでなく、炎症の原因となっている胆石などを取り除く手術も必要となってきます。

また再発率も比較的高く、特に胆石が原因でこの病気となった方は、普段の食生活に気を付けるなど再発防止を心がけることが必要です。

右上腹部痛や悪寒を伴う発熱があった場合は早めに病院にかかり、血液検査や腹部エコー検査を受けましょう。

この記事の監修医師

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