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「不整脈」ですぐに受診した方が良い症状とは?治療法も解説!【医師監修】

 公開日:2025/06/27
「不整脈」ですぐに受診した方が良い症状とは?治療法も解説!【医師監修】

不整脈とはその名の通り、脈拍をコントロールする心臓の収縮が整わなくなる症状 のことです。
症状が強かったり頻度が高い場合、また意識レベルの低下や胸痛を伴う場合には治療が必要になることもあります。

激しい運動をしたり眠ったりしたわけでもないのに脈拍が大きく変化したら、それは何らかの病気に由来する不整脈かもしれません。

しかし不整脈の症状が現れても、心臓の不調とすぐに結びつけて考えるのは早計です。正しい知識を持ち、いざというときにきちんと医療機関を受診できる判断力を持ちましょう。

今回は、日常的なものから重大な病気との関連まで様々な種類のある不整脈について、検査や治療方法をQ&A形式でわかりやすく解説していきます。

※この記事はMedical DOCにて『「不整脈」とは?症状・原因・治療法も併せて解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

不整脈の診断と治療

心に聴診器を当てる医師

すぐに受診すべき症状を教えてください。

  • 生理的に発生しうる頻脈や期外収縮であっても、症状が強かったり頻度が高い場合は治療が必要になることもあります。また胸の痛みを伴うもの、失神してしまうようなものも受診が必要でしょう。動悸やめまい・息切れなどでも、長い間通常通りの活動ができなくなってしまうような場合には医療機関の受診が勧められます。
  • 生理現象との見分けが難しい不整脈という症状ですが、少しでも気になることがあれば医療機関に相談してください。例え生理現象の一部であっても、鎮静剤などの服用でより快適な生活を送れるようになることもあります。無理せず、自分がおかしいと感じたら躊躇わず受診するようにしましょう。

どのような検査を行いますか?

  • 不整脈の検査として最も一般的なのは、誘導心電図という手法のひとつである安静時12誘導心電図と呼ばれる手法です。ベッドに横になり、心電図を記録して不整脈や心筋症以外の有無を調べます。この検査は通常1分ほどの所要時間で完了しますが、上手く計測できない場合はより長い時間の記録を取り直すのが主流です。最大24時間の記録が取れるホルター心電図検査を行い、それでも分からない場合はイベント心電図という手法を用い、最大2週間分の長時間心電図レコーダー・最大3年の埋め込み型ループレコーダーなどを用います。
  • また期間延長以外の手法としては、運動を行いながらの計測・傾斜の付くベッドに固定しての計測・心臓に直接カテーテルを指しての計測などが代表的です。また近年では、スマートフォンやスマートウォッチに内蔵されたカメラなどと接続し、不整脈を監視するモニタ心電図という手法がとられることもあります。医療機関では、持病の有無や症状の重さによってこれらを使い分けます。

不整脈の治療方法が知りたいです。

  • 特に治療が必要と判断された不整脈には、数種類の治療が使い分けられます。強い不整脈や重篤な症状が出た場合には、抗不整脈薬という脈拍を整える薬を服用することが多いです。
  • また、不整脈の中でも、心房や心室といった血液を送り出すためのポンプ部分が痙攣を起こすものでは、脳梗塞などにつながる血液凝固の可能性があります。この場合には、血液の凝固を防ぐための投薬治療などが一般的です。
  • そのほか、不整脈の原因となる異常部位がある場合は、心臓に直接カテーテルを挿し込んでその部位を治療する場合もあります。

どのようなケースで手術やペースメーカーが必要になりますか?

  • ペースメーカーは一般に、極度に脈拍の遅い徐脈に対応するために使用されます。その中でも、脈の間隔が5〜6秒(脈が1分間40以下)の徐脈の方で、ふらつき・失神・胸苦しさなどの症状が出ていることが確認されている場合がほとんどです。
  • 反対に、徐脈であってもふらつきや失神などの症状が出ていない場合は、ペースメーカーを埋め込む必要はないとされます。万一そのような状態でペースメーカーの使用を勧められたら、どうして必要なのかよく説明を聞くようにしましょう。ペースメーカーの手術自体は局所麻酔を使用して1時間ほどで、その日のうちから歩くこともできる場合がほとんどです。最近では、日常生活の支障はほぼないといわれています。

編集部まとめ

考える女性
今回は不整脈という症状について、原因や対処法・病気との関連などについてご紹介してきました。

症状や原因の振れ幅が大きく、とても恐ろしいと感じた方もいるかもしれません。

不整脈はときに重篤な病気の一部にもなりますが、日頃の生活習慣によっては容易に改善・判断のできる症状でもあります。

神経質になる必要はありませんが、きちんと自分の体を管理できるよう、常日頃から心がけておくのがおすすめです。

この記事の監修医師

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