「口唇ヘルペス」は何科に受診?検査と治療について解説!
公開日:2025/07/03

知らぬ間に、口元に小さく赤い水ぶくれができていたことはありませんか?
ピリピリした痛みやびらん(ただれ)を伴うような場合は、「口唇ヘルペス」の症状と考えられます。
男性よりも女性に発症しやすく、口元という目立つ場所への発症は気になる方も多いでしょう。
口唇ヘルペスの検査と治療についてご紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「口唇ヘルペス」とは?原因・何科を受診するべきかについても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
口唇ヘルペスの治療方法
口唇ヘルペスを疑ったら何科を受診すればよいですか?
- 口唇ヘルペスはウイルスによる感染症ですが、発症部位は皮膚に限られます。
- 口唇ヘルペスの発症を疑った場合は、皮膚科の医療機関を受診しましょう。
- 特に初めての感染で発症した場合は、症状が重くなりがちです。軽度の場合(再発の場合)でも、自己判断せずに医療機関で見てもらうようにしてください。
- 本格的に発症する前の違和感の段階で受診できれば、周囲への感染を防ぎつつ症状を軽微に抑えることも可能です。
- ありふれたものとはいえ感染症ですので、きちんと皮膚科の医療機関を受診し早期治療を心がけましょう。
診断のために行う検査があれば教えてください。
- 口唇ヘルペスの症状は典型的なものがほとんどのため、多くは臨床症状で判断してもらうことが可能です。
- しかし、ときに帯状疱疹や毛嚢炎との識別が必要になる場合もあります。
- そういった場合は、ウイルス分離法・ウイルス抗原検出法・ウイルス核酸検出法といった3種類の方法を使い分けて検査を行います。
- どの方法でも、水ぶくれやびらんの症状が出ている部分の細胞を少量採取するのみで検査が可能です。
- 綿棒などで細胞を採取してもらい、あとは専門医が判断します。自己判断では間違った治療を行ってしまう場合もあるため、医師が判断します。
口唇ヘルペスの治療方法が知りたいです。
- ウイルスは体内で増殖するため、皮膚科では飲み薬での治療が一般的となります。
- 水ぶくれができる前後のどちらでも、処方されるのは抗ヘルペスウイルス薬と呼ばれる飲み薬です。
- 事前に薬を処方してもらっており、早期に唇などの違和感に気付けた場合は通常2回ほどの服用で症状を後退させることができます。
- 水ぶくれができてから皮膚科を受診した場合は、通常5日ほど服用を続けますが、事前に薬を処方してもらう(PIT療法)のためには、「年間3回以上同じ病型の単純ヘルペスを繰り返していること」「再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能なこと」などの諸条件があります。
- このとき例え症状が治まっていても、決められた期間内は指示通りに薬を服用し続けましょう。
- また口唇ヘルペスの発症程度によっては、塗り薬のみの治療になる場合もあります。
- 以前に医師から口唇ヘルペスの診断を受けたことがある方は、薬局でも塗り薬の処方が可能です。
編集部まとめ
今回は女性に起こりがちな感染症「口唇ヘルペス」について、特徴や発症原因・治療法などをまとめてきました。
誰にでもちょっとしたことで起こりうる病気だからこそ、普段の心がけで防いでいきましょう。
それでも発症してしまった場合は、速やかな医療機関の受診が鍵となります。ここでまとめたような正しい判断と対処法を、ぜひ今後にも活かしていってください。