「扁桃炎の治療方法」はご存じですか?診断基準についても解説!【医師監修】
公開日:2025/06/17

喉の強い痛みで知られる扁桃炎は、子どもだけでなく大人もかかる病気です。「単なる風邪」と思っていたら、実は扁桃炎だったということもあります。
扁桃炎という病名を知っている方は多いですが、原因や治療方法など詳しくご存じの方はあまり多くありません。
しかし、適切な治療のためには、扁桃炎がどのような病気なのか知っておくことが大切です。
今回は、そんな扁桃炎の治療方法や検査方法など、気になる情報もみていきましょう。
※この記事はMedical DOCにて『「扁桃炎」とは?症状・原因・治療法についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中本 実沙(医師)
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東京女子医科大学病院所属
扁桃炎の治療方法
何科を受診すればよいですか?
- 扁桃炎を疑ったら、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
- 耳鼻咽喉科は喉の病気を専門とするため、ファイバースコープのような喉の検査に対応している可能性が高いです。お子様の場合は、通いなれた小児科で問題ありません。大人の場合、身近な場所に耳鼻咽喉科がなければ、内科を受診して症状を伝えましょう。
- 扁桃炎にかかったことがある方は、前回と同じ医療機関を受診することをおすすめします。扁桃炎を繰り返す方もいるため、経過を知っている医師に診てもらうと安心です。
扁桃炎の検査方法や診断基準を教えてください。
- 扁桃炎は喉の腫れや各種症状から判断することが多いです。喉の痛みを主訴に受診すると、まずは喉の腫れを確認します。その際に、口蓋扁桃が腫れていれば扁桃炎であることがわかります。
- 喉の痛みの他にも、高熱や耳の下から首にかけてのリンパ節が腫れるといった特徴的な症状が出ることも少なくありません。口蓋扁桃の腫れと特徴的な症状があれば、扁桃炎と診断されます。
- また、原因を究明や治療方針を決めるために、検体を採取したり血液検査を行ったりする場合もあります。
治療方法も知りたいです。
- 扁桃炎の治療方法は原因によって異なります。ウイルス感染が原因の場合は、辛い症状に対して対症療法を行うことが多いです。細菌感染が原因の場合は、抗菌薬を用いて原因を除去します。
- 飲食ができる状態なら飲み薬が処方されますが、喉の痛みや食欲不振で十分な飲食ができないこともあるでしょう。その場合は、点滴で水分と栄養を補いながら抗菌薬も投与します。点滴が必要なほど症状が重いケースでは、入院を勧められることが多いです。
- また、急性扁桃炎が進行して扁桃周囲膿瘍になった場合、口蓋扁桃の周りの粘膜に穿刺や切開をして膿を取り除く処置を行います。
編集部まとめ
扁桃炎は大人もかかる病気で、強い喉の痛みや高熱が特徴です。ウイルスや細菌に感染した口蓋扁桃は赤く腫れ、膿が溜まることもあります。
扁桃炎の原因によっては重い症状が出ることもあり、場合によっては入院しなければなりません。子どもの扁桃炎の原因が溶連菌感染の場合は、合併症にも注意が必要です。
大人も症状が悪化することがあるため、「風邪症状だから大丈夫」と思わず気になる症状があれば受診しましょう。
扁桃炎を繰り返す場合は扁桃を摘出することがあります。最適なタイミングで適切な治療を受けるためにも、喉の痛みや腫れを放置しないでください。
また、ウイルスや細菌に感染しなければ、扁桃炎を防ぐことができます。手洗い・うがいをしっかり行い、水分補給も忘れないようにしましょう。