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「急性腎不全(急性腎障害)」が起きる「3つの原因」をご存じですか?【医師監修】

 公開日:2025/06/16
「急性腎不全(急性腎障害)」とは?症状・原因についても解説!

昔に比べて平均寿命・健康寿命ともに延びている現代ですが、それでも予期せず病気にはかかってしまうものです。

しかし、仮に病気にかかってしまっても、早期発見による迅速かつ適切な治療によって悪化を防げる場合があります。

そういった病気の中から今回焦点をあてて解説するのは急性腎不全です。

今回は治療についてご紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「急性腎不全(急性腎障害)」とは?症状・原因についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

急性腎不全の原因と治療法

急性腎不全の原因と治療法

急性腎不全は何が原因で起こるのでしょうか?

  • 急性腎不全の原因は複数あり、その原因によって以下の3つに分類されます。
  • 腎前性
  • 腎性
  • 腎後性
  • 上から順に解説していくと、まず腎前性はケガや下痢を原因とした脱水や出血の影響などによるものです。多くの急性腎不全はこの腎前性であるとされています。
  • 次に腎性は主に腎臓の炎症や薬剤の影響によるもので、腎前性の次に多い原因です。
  • そして腎後性ですが、これは尿管の閉塞によるものが多く、この腎後性が原因で急性腎不全になる場合は非常にまれであるとされています。このように、急性腎不全は他の病気が原因で発症する場合が多い病気です。

診断はどのように行うのですか?

  • 急性腎不全はまず最初に血液や尿・腎臓の検査などを複数行い、その検査結果をもとに腎前性・腎性・腎後性のどれに当てはまるかの診断がされます。診断基準となるのが以下のような急性腎不全の定義です。
  • 血清クレアチニン値が48時間以内に0.3mg/dl以上の上昇及び、検査前1週間以内の平均値に比べて1.5倍以上の増加がみられる
  • 尿量が0.5ml/kg/時間に減少する症状が6時間続けてみられる
  • この基準を見ると、急性腎不全は腎機能の低下の速度に重点をおいた診断がされることがわかります。

急性腎不全の治療法について教えてください。

  • 前述したように、急性腎不全の治療法は原因によって変わります。以下が原因別の治療法です。
  • 腎前性:輸液や輸血、原因となった病気に適した薬剤の服用
  • 腎性:原因となった炎症をステロイドによって鎮める、または薬剤の投与を中止する
  • 腎後性:尿管閉塞の治療
  • このように、急性腎不全の治療はまず原因となった別の病気の治療から始まります。

原因別に適切な治療を行うことが大切なのですね。

  • 急性腎不全は正しい原因の判別によって正しい治療法が導き出されます。3つの原因はそれぞれ異なる治療方法になるため、この原因の判別が大切です。
  • 原因となった病気をまず治療しないことには腎不全の治療はできません。
  • それぞれの原因に適した治療を行うことが、急性腎不全の早期回復や自然治癒にもつながるので、原因ごとに適切な治療を行うことの重要さがわかります。

編集部まとめ

編集部まとめ
今回は急性腎不全について解説しました。急性腎不全は急速な腎機能の低下が特徴的な病気です。

尿量が減ることで老廃物などがたまり、むくみや高血圧といった症状が現れます。重症化すると意識障害や命にかかわることもあるので適切な早期の治療が大切です。

早期治療のためには早期発見が重要であり、日常的な自己の体調管理を行うことが早期発見につながります。

ここでの解説を機に、日常的な体調チェックや定期的な健康診断を受ける方が増えたら幸いです。

この記事の監修医師

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