赤いしこりに注意!「結節性紅斑」の診断方法と受診のタイミングとは?【医師監修】

結節性紅斑(けっせつせいこうはん)は皮膚に500円玉程の大きさの痛みを伴うしこりができる病気です。
赤みがかった斑点は1つではなくいくつもできることが多く、発熱や倦怠感など風邪のような症状が伴うケースもあります。
20〜30代の若い女性に多く発症する病気であり、細菌・ウイルス感染によるものや薬剤へのアレルギー反応など原因は多岐にわたります。
今回は結節性紅斑を発症する原因や症状についてご紹介してきましょう。
診断・検査方法などについてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はMedical DOCにて『「結節性紅斑(けっせつせいこうはん) 」とは?症状・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
結節性紅斑の診断・検査方法
結節性紅斑はどのように診断を行うのですか?
- 結節性紅斑は皮膚に現れる特徴的な症状により診断されるケースが多いです。
- しかし、皮膚に同様の炎症を起こす他の病気もあるため、正確な診断を行うにはより詳細な検査が必要です。
- 問診などで皮膚の状態を確認した上で、血液検査や皮膚生検により詳細な炎症の程度などを調べます。
- 発症要因により特徴的な症状を伴うことがあり、溶連菌感染からだと発熱、結核では咳の症状が特徴です。
- これらの症状や検査内容により、結節性紅斑の診断と共に発症の原因と疑われるものを探っていきます。
検査内容や検査時の注意点などあれば教えてください。
- 検査の方法としては、血液検査や患部の皮膚を採取して調べる病理検査などが一般的です。
- 感染症によって引き起こされている疑いがある場合には、迅速検査を活用して原因となる病原体を調べる方法もあります。
- また、結核などの他の疾患が原因となることもあるため胸部レントゲンや結核用の皮膚テストなどが行われる場合もあります。
- さまざまな原因により引き起こされる病気であるため、持病や過去のアレルギー反応などについて詳しく医師に説明することが重要です。
受診する目安が知りたいです。
- 皮膚に痒みや赤みがある場合でも、数日程度で症状が治まるようであれば問題ありません。
- 症状が長く続き身体の数ヶ所に赤みのある斑点が増えることや、患部が大きく腫れあがるようであれば皮膚科を受診したほうが良いでしょう。
- 結節性紅斑は患部が大きいものであれば500円玉くらいの大きさにもなり、押すと痛みが生じる場合があります。
- また、発熱や倦怠感などの風邪に似た症状を伴う場合もあり、そのような場合であれば医師による診断の上で適切な治療が必要です。
- 治療を行わずとも自然治癒するケースもありますが、その他の持病や薬剤のアレルギーなどが原因の場合には再発する可能性もあります。
- 原因を特定し適切な治療を行うには、専門医である皮膚科を受診することをおすすめします。
編集部まとめ
結節性紅斑は20〜30代の若い女性に多く発症する病気で、その原因はウイルス感染以外にも薬剤へのアレルギー反応が関係することもあります。
また、結核や悪性リンパ腫を含む悪性腫瘍などの基礎疾患を抱えている人にもみられる症状です。
基本的には完治できる病気であり、症状が軽い場合には非ステロイド剤による対症療法で安静にしていれば2〜6週間ほどで症状が治まります。
しかし、根本となる原因が普段使用している薬剤によるアレルギー反応や自身の持病が関係している場合もあります。
そういった場合には原因となる薬剤の使用を中止することや持病の治療などが必要です。
結節性紅斑では通常の湿疹と比べてやや大型であり、触ると痛みがあったり発熱を伴うことが多いという特徴があります。
背景に別の疾患が隠れていることもあるため、結節性紅斑を疑うような症状があれば、お近くの皮膚科を受診されることをおすすめいたします。