身体の一部が勝手に動く…「ジスキネジア」の原因について医師が解説!
公開日:2025/06/21

ジスキネジアは、本人の意思とは関係なく身体の一部がおかしな動きをしてしまう症状のことをいいます。症状が軽いうちは日常生活に影響はありません。
しかし、放っておくと症状が強くなるため、できるだけ早めに対処をすることが大切です。
今回は、ジスキネジアについてご紹介します。症状や治療方法に加えて、ジスキネジアを発症した際の注意点も記述しているため、ぜひご参考にして下さい。
※この記事はMedical DOCにて『「ジスキネジア」とは?症状・原因・治し方についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 直(医師)
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所属:平成かぐらクリニック院長 メンタルアシストプログラム総責任者、一般社団法人 健康職場推進機構理事長、医療法人社団 平成医会 理事
著書:精神科医が教える3秒で部下に好かれる方法
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ジスキネジアの原因
どのようなことが原因になりますか?
- ジスキネジアの原因は脳神経の病気や薬による副作用です。原因となる薬にはドパミンに関わる抗精神病薬やパーキンソン病の治療薬があります。
- 抗精神病薬は服用してすぐに発症するわけではありません。長く服用を続けることで、ジスキネジアが発症する可能性があり、遅発性ジスキネジアといわれています。
ジスキネジアはなぜ起こるのですか?
- 大脳の基底核には自分の意思で身体を動かす随意運動や学習を司る役割があります。自分の意思で身体を動かす随意運動を円滑に行うために必要な物質がドパミンという物質です。
- 大脳基底核の障害によって、運動機能を調整するドパミンの働きがうまくいかないために起こるとされています。
- ドパミンが大脳に作用することを防ぐタイプの抗精神病薬や、ドパミンを補充するパーキンソン病の治療でジスキネジアが起こりやすいです。
原因になりやすい病気について教えてください。
- ジスキネジアは、ドパミンが随意運動を司る神経にうまく作用しなかったことが原因で起こる可能性があります。そのため、ドパミンに作用する薬を使う疾患を治療している方は、発症する可能性が高いです。
- また、パーキンソン病はドパミンが不足することが原因で起こる病気のため、治療にはドパミンを増やす薬が使われます。ドパミンが過剰に増えて、随意運動に支障がでる可能性が高いです。
- 癲癇や双極性障害の方も治療薬による副作用が起きることがあります。高齢者・糖尿病・脳梗塞など脳に異常がある方は、発症のリスクが高いため注意をして下さい。
編集部まとめ
ジスキネジアは随意運動がうまくいかなくなって起こる不随意運動のことです。自分の意思とは関係なく、身体の一部が動いてしまいます。
初期の段階では日常生活への影響は少ないです。そのため気にならないという方もいますが、症状が強くなると仕事など生活に支障がでる可能性があります。
ジスキネジアの症状が起こるとき、患者さん本人は無意識です。本人はなかなか気が付かない場合が多いため、日ごろから家族の方で様子をこまめに観察して下さい。
少しでも違和感があったら、必ず主治医に相談をして指示を仰ぐようにしましょう。