「子宮後屈の原因」はご存じですか?治療についても解説!【医師監修】
公開日:2025/06/26

子宮は女性にとってとても身近で、かつデリケートな臓器です。そんな大切な臓器である子宮が後ろに傾いてしまう、「子宮後屈」という症状があることをご存じでしょうか。
もしも子宮後屈と診断された場合、妊娠や出産への影響はあるのか・治療法はどうなるのかなど、大きな不安を感じても無理はありません。
しかし、子宮後屈がどのような状態であるのかや治療法については、あまり知られていないのも事実です。
そこで今回は、子宮後屈の症状・原因・治療法などについて、詳しく解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「子宮後屈」ってどんな症状?原因についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
浅野 仁覚(医師)
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福島県立医科大学大学院卒業。所属:ロイヤルベルクリニック。主な研究内容・論文:切迫早産、先天性サイトメガロウイルス感染症、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術など。
目次 -INDEX-
子宮後屈の原因と治療法
子宮後屈の原因はなんですか?
- 子宮後屈の原因は、生まれつきの場合と後天的な理由による場合があります。
- 可動性が保たれている場合は、子宮が移動する臓器であるために、何らかの理由で背中側に傾いてしまったことが考えられます。
- 原因が特定されないことも多く、痛みなどの自覚症状が全くないケースも珍しくありません。
- 他に、子宮内膜症や骨盤内の炎症が原因で直腸・骨盤腹膜などへの癒着を起こしているケースもあるため、注意が必要です。
- 癒着が起こっていると痛みが出る可能性も高く、剥離種手術を行うなどの治療が必要になることがあります。
他の臓器と癒着している場合は治療が必要なのでしょうか?
- 子宮は本来であれば、周りの臓器や骨盤の動きに合わせて柔軟に移動します。しかし、癒着を起こした子宮後屈の場合には、背中側に引っ張られている状態で固定されてしまっています。
- そのため、腰痛・月経困難症・重度の月経痛などを引き起こす可能性も高いです。剥離手術を行うことで痛みを伴う症状を改善することができます。
子宮後屈修復手術治療期間はどのくらいかかりますか?
- 子宮後屈修復手術(癒着剥離術)は外科手術のため、治療にはある程度の期間を必要とします。
- 近年では、開腹手術よりも負担の少ない腹腔鏡手術がポピュラーです。腹腔鏡手術の入院期間は、5〜7日程度の場合が多いです。
子宮後屈はどのような検査を行いますか?
- 子宮後屈の検査は、婦人科の検査では一般的な内診・超音波検査を行うことが多いです。内診は膣内に指を入れて触診を行うことで、子宮の状態を確認します。
- 超音波検査は経膣エコーと呼ばれる方法がポピュラーで、超音波プローブを膣内に挿入することで子宮の状態を確認できます。
- 他に、卵管造影検査やMRI検査などの画像検査でも、子宮の傾きを確認することが可能です。
編集部まとめ
子宮は、女性の人生に寄り添う大切な臓器です。
そんな子宮の位置に異常が出てしまう「子宮後屈」は、症状の有無や癒着の有無によって病気と診断するかどうかが変わるとのことでした。
自覚症状はあるかどうか・医師から問題点の指摘を受けていないかどうかを思い返してみましょう。気になることがあった方は、婦人科を受診することをおすすめします。
重要でデリケートな臓器だからこそ、自分で健康を気にかける必要があります。何か少しでも気になる点があれば放置せず、なるべく早く婦人科を訪れることが大切です。