命にかかわる病気?「低ナトリウム血症」疑う4つの症状を解説!【医師監修】
公開日:2025/06/28

疲労感やだるさを引き起こす原因の1つに低ナトリウム血症があげられます。
低ナトリウム血症は血液中のナトリウム濃度の低下により起こり、誰でもなり得る病気です。
一方で、初期症状は単なる疲れと誤解しやすく、気付かないうちに重症化してしまう恐れがあります。
命にかかわる病気でもあるため、疑わしい症状がある場合は適切な対処が必要です。
低ナトリウム血症は具体的にどんな症状なのか、受診の目安などを紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「低ナトリウム血症」とは?症状・原因・治療法についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
低ナトリウム血症での受診の目安は?
どの症状が出たら受診した方が良いですか?
- 低ナトリウム血症は、重症化すると死に至る病気です。だからこそ症状が軽いうちに適切に対処することが重要になります。初期の段階では自覚症状がない場合もありますが、疲労感・頭痛・ふらつき・吐き気などがみられる場合は、早めに受診しましょう。
- 一般的に血液中のナトリウム濃度が、136mEq/L未満になると低ナトリウム血症であると判断されます。血液中のナトリウム濃度が120~130mEq/Lぐらいになると、軽い疲労感・倦怠感を感じ始める場合が多いです。
- 重症であればあるほど早めの対処が必要になります。筋肉のひきつれ・痙攣などの症状がみられる場合は、血液中のナトリウム濃度が110 mEq/L程度まで低下していることが考えられます。こうした症状がみられる場合は、迅速に医師の診察を受けましょう。
何科を受診するのが良いのでしょうか?
- 気になる症状がみられる場合、診察は内科全般で可能です。内科のなかでも腎臓内科・内分泌科がより受診に適しています。
低ナトリウム血症の検査内容を教えてください。
- 低ナトリウム血症が疑われる場合、まずは血液検査で血中のナトリウム濃度を調べます。血液中のナトリウム濃度が135mEq/L未満であれば、低ナトリウム血症と診断されます。
- 低ナトリウム血症かどうかは血液検査ですぐに診断することが可能です。しかし、血液検査で原因の特定までできるわけではありません。患者さんから症状・服用している薬などを聞き取ったうえで、より精密な血液検査・尿検査を追加検査していきます。
- 体液量・血液・尿中ナトリウム濃度・電解質・抗利尿ホルモンなどを詳しく検査したうえで、原因を特定していきます。
編集部まとめ
低ナトリウム血症は、初期の段階では単なる疲れや体調不良と見過ごしてしまいやすい特徴があります。
しかし、重症化すると命にかかわる深刻な病気であるため、早めの対処が重要です。気になる症状がみられる場合は、早めに医師に相談しましょう。
また、大量の汗をかいた際は、血中のナトリウム濃度が低下しやすい状態です。水分補給と同時に塩分補給を忘れずに行い、予防に努めましょう。