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体の痛みが数か月続く「線維筋痛症」とは?検査や診断について解説!【医師監修】

 公開日:2025/07/03
体の痛みが数か月続く「線維筋痛症」とは?検査や診断について解説!【医師監修】

数か月にわたって手足や体など広い範囲に痛みを感じる・違和感があるという人は、もしかしたら線維筋痛症かもしれません。今回は線維筋痛症の診断方法についてご紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「線維筋痛症」とは?症状についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

工藤 孝文

監修医師
工藤 孝文(工藤内科)

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みやま市工藤内科 院長・糖尿病内科医・漢方医・統合医療医。福岡大学医学部を卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、福岡県みやま市の工藤内科にて、糖尿病内科・ダイエット外来・漢方治療を専門に、地域診療を行っている。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ出演多数。著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」が現在人気を集めている。 
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

維筋痛症の診断方法は?

診察する男性医師と女性患者(ノートパソコン)

線維筋痛症の診断方法を教えてください。

  • はっきりとした原因がわかっていない病気のため、線維筋痛症と診断するのは難しいとされています。しかし診断する方法としては下記の3つが挙げられます。
  • 全身のいずれかや広い範囲に疼痛が感じられる
  • 疼痛が3か月以上続いている
  • 指定された基準箇所を触ると痛みがある
  • このような診断材料で医師が問診や触診を行い診断をします。この場合の指定された基準箇所というのは全身に18か所あり、首・肩・手足などがチェック箇所です。
  • 主に疼痛に焦点を置いた診断になりますが、倦怠感や睡眠障害など他の症状がみられる場合は問診の際に医師に伝えましょう。

具体的にはどのような検査を行うのでしょうか?

  • 線維筋痛症の症状がみられる場合は問診や触診を行い、まずは他の病気を疑う検査をしていきます。
  • 血液検査
  • 尿検査
  • レントゲン写真・CT・MRI撮影
  • エコー診断
  • 心電図
  • 脳波検査
  • これらの検査を行っても異常がみられない場合、線維筋痛症の可能性があるという診断になるのです。どこにも異常がみられず原因不明という点が線維筋痛症の特徴であり、さまざまな検査を行うことになります。いわば消去法のような形で、検査結果に異常がないため線維筋痛症と診断されるケースも多いです。

線維筋痛症を早期発見するポイントを教えてください。

  • 疼痛が3か月以上続くと線維筋痛症の疑いがあるため、早期発見のポイントとしては慢性的な疼痛が続くようなら早めに病院を受診するほかありません。
  • 激痛が長期的に続いて治まらないという場合は病院を受診する人が多いですが、違和感がある・倦怠感が続く程度であれば放置してしまう人も少なくないです。そのうち治っていくだろうと放置せず、少しでも異常を感じた場合は早めに病院を受診しましょう。
  • 全身が痛く何科を受診すればよいのか悩んでしまう人もみえますが、基本的にまずは内科を受診するとよいでしょう。線維筋痛症はうつ病などの精神的な疾患と併発することも多いため、心療内科や神経内科の受診も検討してください。

編集部まとめ

お茶を飲む女性(温活)
線維筋痛症はストレスを感じやすい人に発症すると考えられていますが、原因がわからないことからまわりの理解が低く認知している人も多くはありません。

患者さん自身に対して「弱い・甘えている」と思う人もみえ、さらにストレスを与えてしまう場合もあるのです。

薬物療法や運動療法など線維筋痛症にはさまざまな治療方法があり、医師の指導のもと早めに治療を行うと改善がみられる可能性が高いです。

痛みの強さに限らず痛みや違和感が3か月以上あるという方は、まず内科や心療内科を受診してください。

線維筋痛症との診断であれば自分に合った治療法を行い、病気の改善や痛みのない生活を目指しましょう。

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