「拒食症」の主な原因とは?遺伝も関係しているかも医師が解説!
公開日:2025/07/03

拒食症は過度なダイエットの結果たどり着くイメージがありますが、ストレスなど心理的要因により必要な栄養摂取を拒む摂食障害に分類される精神疾患の1種です。
とくにやせ信仰の強い10~20代の若い女性のおよそ1000人に1人の割合で発症します。極度な体重減少がみられる場合は命にかかわり、治療も困難なため軽視できません。
今回はご自分やご家族が「拒食症かも?」と感じた場合のおもな原因について解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「拒食症」とは?原因や症状についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 直(医師)
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所属:平成かぐらクリニック院長 メンタルアシストプログラム総責任者、一般社団法人 健康職場推進機構理事長、医療法人社団 平成医会 理事
著書:精神科医が教える3秒で部下に好かれる方法
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目次 -INDEX-
拒食症の原因
拒食症の主な原因は何でしょうか?
- とにかく細くやせていることが美徳のような誤った価値観が一部にあるのは事実です。それを敏感に感知する若い女性の個々に低い自己肯定感や親子関係の不和など人間関係の不調・ストレスがある場合、拒食症につながるケースがあります。
- 「やせてきれいになりたい」「認められたい」という一見ポジティブな願望と結びつくことで食べなければやせるという極端な行動に陥りがちです。
- きっかけはダイエットという身近なものだけに隠された問題に周囲はもちろん患者さん自身も自覚がなく、気づけば取り返しのつかない状況が多くみられます。
遺伝は関係ありますか?
- 無関係ではありません。根拠として拒食症になった方の家族に同じく摂食障害の傾向がみられることが多いのは事実です。
- 家族で住まいを同じくしているという環境的要因もありますが、脳や遺伝の生物学的要因としては心配性や完璧主義・こだわりの強さ・衝動性など拒食症になりやすい気質はセロトニン系とよばれる脳の機能異常によるものではないかと考えられています。
- いわゆる家族で性格や性質が似るということは珍しくないため、この点で拒食症が遺伝に関係あるという理由になります。
編集部まとめ
拒食症とは「太りたくない」という恐れからくる深刻な摂食障害のことです。
しかし背景には単にやせてスタイルを保ちたいという願望だけでなく、自身のボディーイメージに対する認知の歪みに加えて学校・職場・家庭でのトラブルなどさまざまな要因がからみあって起こります。
また食べることへの罪悪感からかえって盗み食いや過食を引きおこし、深刻な心の病も併発するケースも多いため治療には食行動の改善だけでなく、身体面・精神面でのケアが必要です。
それには同居者や身近な人間の拒食症に対する正しい理解や協力が何より重要なため、まずはご家族と内科や心療内科などの専門医に相談してみましょう。
参考文献