「アンジェルマン症候群」の原因とは?診断方法についても解説!【医師監修】
公開日:2025/06/16

アンジェルマン症候群は先天性疾患の1つです。
身近にアンジェルマン症候群の方がいない場合は、馴染みがなく名前も初めて聞くという方も少なくありません。
お子さんがアンジェルマン症候群だと診断された場合は、どんな疾患かもわからず不安を抱えてしまう保護者の方もいます。
今回は、アンジェルマン症候群についてのお話です。原因、診断方法について解説をしているため、ぜひ参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「アンジェルマン症候群」とは?症状・特徴・原因についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
目次 -INDEX-
アンジェルマン症候群の原因や診断方法
アンジェルマン症候群の原因は何ですか?
- アンジェルマン症候群は染色体に異常が起こることが原因の先天性疾患です。
- ヒトの細胞は46本の染色体があり、そのうち44本がペアになっている22本の「常染色体」があります。両親から1本ずつもらった染色体がペアになっています。
- 常染色体には長いものから番号が振り分けられているのですが、このなかで母親由来の15番目の染色体にあるUBE3Aという遺伝子の機能喪失が原因です。
アンジェルマン症候群の子どもが生まれる確率はどのくらいですか?
- アンジェルマン症候群は生まれてくる赤ちゃんのうち1万5千~2万人に1人の割合で発症するといわれています。世界中でみると毎日18人のアンジェルマン症候群の赤ちゃんが生まれているともいわれているのです。
- 日本では500~1,000人程度のアンジェルマン症候群の方が生活されています。
遺伝しますか?
- アンジェルマン症候群の原因が染色体の異常ということから、遺伝で起こると思われる方も多いです。たしかに、遺伝が原因で起こるケースもあります。
- ただ、その割合は低く染色体が突然変異することで、発症する割合が多いです。そのため誰にでもアンジェルマン症候群の子どもが生まれる可能性があります。
- また、妊娠前や妊娠中の生活習慣や行動が原因になることはありません。この疾患を持った子どもが生まれたとしても、お母さんが原因ではないのです。
どのような検査をするのですか?
- アンジェルマン症候群は生まれてすぐに見た目でわかる症状が現れるわけではありません。1歳頃になると、特徴となる症状が現れ病気を疑われることが多いです。
- 精神面などの特徴があり疑いがもたれた場合に、染色体の検査を行います。
- ただ、症状がでていても、遺伝子の検査で原因がわからないケースが10%ほどあるため、この場合はすぐに診断がされません。診断まで数年かかることもあります。
出生前の診断はできますか?
- 遺伝でアンジェルマン症候群を発症する例はまれですが、まったくないわけではありません。遺伝の可能性があらかじめわかっている場合は、出生前診断での検査が可能です。
- ダウン症、13トリソミー、18トリソミーなど他の染色体の異常を調べる目的で実施される出生前母体血検査(NIPT)などで判明するケースがあります。出生前に赤ちゃんがアンジェルマン症候群と診断された場合は、不安を抱く方も多いです。
- 状況をしっかり整理をして正しい情報を得たうえで、ご夫婦でしっかり話し合って今後のことを考えていきましょう。
編集部まとめ
今回の記事はアンジェルマン症候群についてのお話でした。この疾患は染色体に異常が起こることで発症する疾患で指定難病となっています。
癲癇の発作を起こしたときや誤飲などの事故の危険はありますが、内臓の病気はなく命に係わる疾患ではありません。しかし生活面で介護が必要な疾患です。
ご家族の方は不安になるものですが、療育を受けることで将来的に自分でできることも増えます。
必要であれば、さまざまなサポートを受けることができるため、利用できるサポートは最大限に活用しましょう。