乳幼児のRSウイルスは重症化に要注意! 細気管支炎・無呼吸発作の恐怖【医師解説】

風邪などの症状を引き起こす「RSウイルス」は、年齢を問わず感染しますが、特に乳幼児がかかると重症化することもあるので注意が必要です。一体、どのような症状がみられるのか、また重症化するとどうなるのかについて、「グローバルヘルスケアクリニック」の水野先生に解説していただきました。

監修医師:
水野 泰孝(グローバルヘルスケアクリニック)
編集部
RSウイルスに感染すると、どのような症状がみられるのですか?
水野先生
RSウイルスには4〜6日の潜伏期間があり、その後、発熱や咳などの症状が数日間続きます。ほとんどが自然に軽快しますが、場合によっては重症化して、咳がひどくなる、喘鳴が出る、呼吸困難になるなどの症状がみられることがあります。さらに悪化すると、細気管支炎、肺炎に至ることもあります。
編集部
症状が悪化しやすい人の特徴はありますか?
水野先生
初めて感染する子ども、持病がある人、高齢者は重症化することがあるとされています。特に高齢者はRSウイルスを原因として急性の重症肺炎を起こすことがあるため、長期療養施設内での集団発生に注意する必要があります。そのほか、乳幼児の場合にも注意が必要です。
編集部
大人の場合、リスクが高いのはどのような人ですか?
水野先生
研究により、免疫力が低下している人、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息など呼吸器疾患のある人、心不全や糖尿病など特定の基礎疾患がある人は、こうした疾患がない人と比較してRSウイルス感染症が重症化するリスクが高いことがわかっています。
編集部
一方、乳幼児が発症するとどうなるのですか?
水野先生
RSウイルスに初めて感染する子どもは、重症化しやすいことがわかっており、特に生後6カ月以内に感染した場合には、細気管支炎、肺炎など重症化することがあるので要注意です。厚生労働省の発表によると、70%の乳幼児は咳などの症状が数日続いた後に自然と軽快していきますが、残りの30%は強い咳や喘鳴、呼吸困難などを引き起こし、重症化することが明らかになっています。
編集部
命にかかわることもあるのですか?
水野先生
場合によっては、急性脳症などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。また、生後1カ月未満の子どもがRSウイルスに感染すると無呼吸発作を起こすことがあり、突然死に至ることもあります。そのほか、RSウイルスと喘息には強い関係性があります。例えば、スウェーデンでおこなわれた研究によれば、3歳までにRSウイルスによる細気管支炎にかかると、7歳半までに喘息を発症するリスクが10倍以上になることが判明しています。
※この記事はメディカルドックにて<「RSウイルス」に感染したらどうなるかご存じですか? 症状が悪化しやすい人の特徴も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




