「医療的ケア児」をご存知ですか? 家庭でのケアと社会的支援の課題を医師が解説

現在、「医療的ケア児」が増えているといいます。医療的ケア児とは日常生活を送るために医療のケアが必要な子どものことをいい、小児在宅医療のニーズも高まっています。今回は、医療ケア児とはどのような子どものことを言うのかについて、みしま小児科クリニック青葉台の三島先生に聞きました。

監修医師:
三島 芳紀(みしま小児科クリニック青葉台)
編集部
医療的ケア児とは、どういう子どものことを言うのですか?
三島先生
厚生労働省の定義によれば、「医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)などに長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと」とされています。
編集部
もう少し詳しく教えてください。
三島先生
簡単にいえば、日常生活を送る上で手厚い医療が必要な子どものことを言います。ただし重症度は人によって異なり、ベッドで寝たきりの子どもから普段は自分で歩くことができる子までさまざまです。
編集部
何歳くらいまでを指すのですか?
三島先生
一般的には18歳未満の子どもを指しますが、高等学校などに在籍する場合には、医療的ケア児に含まれます。当院で在宅医療を行っている医療的ケア児は、平均すると8歳くらいです。
編集部
医療的ケア児が最近、増加傾向にあると聞きます。
三島先生
はい。厚生労働省の発表によれば、医療的ケア児は近年、増加傾向にあり、令和2年で一時減少したのを除き、平成25年以降はずっと増加しています。
※この記事はMedical DOCにて<「小児在宅医療」に立ち塞がる壁 増加傾向にある医療的ケア児の現状課題と展望>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。