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背骨が曲がる現代病「成人脊柱変形症」の見逃せないサインを医師が解説

 公開日:2025/07/03
成人脊柱変形症とは?

腰背部の痛みをはじめとする、様々な症状を引き起こす「成人脊柱変形症」。特に近年では高齢化に伴い、「腰曲がり」の患者数が急増しています。今回は、そもそも成人脊柱変形症とはどのような症状があるのかについて、「品川志匠会病院」の光山先生に解説していただきました。

光山 哲滝

監修医師
光山 哲滝(品川志匠会病院)

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日本医科大学卒業。その後、東京女子医科大学脳神経外科に入局。国際医療福祉大学三田病院脊椎脊髄センター、亀田総合病院脊椎脊髄外科、テュービンゲン大学脳神経外科などを経て、2016年より東京都品川区に位置する「品川志匠会病院」で勤務。2022年、院長に就任。医学博士。日本脊髄外科学会技術指導医、日本専門医機構認定脳神経外科専門医、日本専門医機構認定脊椎脊髄外科専門医、日本脊椎・脊髄神経手術手技学会学術評議員。

編集部編集部

まず、成人脊柱変形症について教えてください。

光山 哲滝先生光山先生

脊柱が本来の生理的な形から、大きく曲がった形になることを「脊柱変形」と言います。脊柱変形には、先天的なものや学童期に発症するもの、感染や椎体骨折後、脊椎手術後(固定術後)に生じるもの、加齢に伴う変化が積み重なって変形をきたすものなどがあります。そのなかで、成人期に発症した脊柱変形を成人脊柱変形症と言います。現在、日本では高齢化に伴い、加齢による脊柱変形が増加しています。

編集部編集部

「脊柱が変形する」とはどういうことですか?

光山 哲滝先生光山先生

脊柱とはいわゆる背骨のことで、頭側から頚椎・胸椎・腰椎・仙椎という脊椎骨がクッションの役割をする椎間板を間に挟んで、積み重なって構成されています。正常な脊柱は、前後方向に生理的に弯曲することで、少ないエネルギーで立位の姿勢を維持することができます。そして、頚椎と腰椎は前方に、胸椎は後方に弯曲しています。しかし、なんらかの原因により、この弯曲のバランスが崩れ脊柱が大きく曲がってしまう、つまり「脊柱が変形する」ことがあります。

編集部編集部

どのように曲がることが多いのですか?

光山 哲滝先生光山先生

弯曲は、左右方向へ曲がる「側弯」と、前後方向へ曲がる「後弯」とがあります。特に最近は、高齢者の後弯や後側弯が増えています。高齢者の後弯は、腰曲がりとしても知られ、変形が進むと日常生活に様々な支障を引き起こすことがあります。

編集部編集部

たしかに、腰が曲がっている高齢者を多く見かけます。

光山 哲滝先生光山先生

なかには「年のせいだから仕方がない」と、諦めている人も少なくありません。しかし、腰曲がりが進行すると、腰の強い痛みなどにより立位や歩行を維持できなくなり、日常生活に支障が生じます。

※この記事はMedical DOCにて<「成人脊柱変形症」の初期症状はご存じですか? 原因や治療法も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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