むせ・つかえ感は歳のせい? 「嚥下障害」の5つのサインとは【医師解説】

食事をしているとき、なんとなく「飲み込みづらい」「むせる」ということはありませんか? もしかしたら、「嚥下障害」が起きているのかもしれません。高齢者において特に大きな問題となっている嚥下障害とはどのような症状がみられるのかなどについて「とだ小林医院」の小林先生に教えていただきました。

監修医師:
小林 隆之(とだ小林医院)
編集部
食べ物が飲み込みづらいと感じるときがあります。何か問題があるのでしょうか?
小林先生
もしかすると、嚥下障害が起きているのかもしれません。嚥下とは、食べ物や飲み物を飲み込んで食道から胃へ送る一連の動作のことで、この過程のどこかで障害が起きているのが嚥下障害です。
編集部
そもそも、どのような仕組みで食べ物などを飲み込むのですか?
小林先生
- 先行期(認知期) 目で見て食べ物を認識する
- 準備期(咀嚼期) 食べ物を口腔内に入れる
- 口腔期 歯と舌で食べ物を咽頭へ送る
- 咽頭期 咽頭から食道へ送る
- 食道期 食道から胃へ送り込まれる
なんらかの原因により、これらのプロセスのどこかで問題が生じることを嚥下障害と言います。
編集部
嚥下障害になると、どのような症状がみられるのですか?
小林先生
例えば、「喉や胸がつかえる感じがする」「飲み込みにくく感じる」「食べたり飲んだりしたときにむせる」といった症状が代表的です。また、「食事に時間がかかる」「食事に疲れる」といった症状がみられることもあります。
編集部
様々なトラブルがあるのですね。
小林先生
人間は通常、1日に500~1000回程度、嚥下をするとされています。嚥下は意識しないでもおこなわれる反射的な行動で、脳がその働きを司っています。しかし、なんらかの原因により嚥下のプロセスで障害が起きることがあるのです。
※この記事はMedical DOCにて<食べ物が飲み込みづらい…「嚥下障害」の原因はご存じですか? 症状や受診の目安も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。