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便の異常はがんの前兆かも? 排便トラブルの裏にある病気の可能性を医師に聞く

 公開日:2025/06/30
便の異常 病気

便の軟らかさは大腸の通過時間や腸内環境に深く関係しており、便通の状態は痔だけでなく、消化器系の健康全般にも影響を及ぼします。日常の便の変化は、がんなどの重大な病気のサインである可能性も。今回は、便の質と痔、そして健康リスクについて、「田島外科」の田島先生にお聞きしました。

田島 雄介

監修医師
田島 雄介(田島外科)

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埼玉医科大学卒業。埼玉医科大学総合医療センターや肛門疾患の専門病院などを経た2019年、「田島外科」を継承。生活習慣病などの内科疾患から外傷などの外科疾患も扱っている。医学博士。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医、日本大腸肛門病学会専門医・指導医、難病指定医、日本医師会認定産業医、埼玉医科大学非常勤講師。日本臨床肛門病学会、日本臨床外科学会、日本遺伝性腫瘍学会、日本消化器内視鏡学会の各会員。

編集部編集部

便の軟らかさって、なにで決まるのですか?

田島先生田島先生

消化管、とくに大腸の通過時間です。ですから、便秘をするほど「硬い便になる」と考えていただいていいでしょう。便が硬くなると、肛門からスムーズに出にくくなりますので、悪循環を起こします。また、最近では、消化器官内にいる菌が注目されてきました。便は「不要なモノ、排出すべきモノ」ですから、大量に抱えることで腸内フローラが乱されます。

編集部編集部

そして、便が硬すぎても軟らかすぎても、痔の原因になりえるのですね?

田島先生田島先生

そうですね。肛門は狭いので、便が軟らかく縮んでくれないと、スムーズに通過しません。力み、そして、痔の原因になりえます。他方で、下痢が切れ痔を起こしてしまうのは、前述のとおりです。

編集部編集部

自己対策を取るとして、すぐに便の状態へ反映されるものでしょうか?

田島先生田島先生

難しいのは、心因要因が大きく関係していることです。例えば、便秘対策として、新しい食習慣をはじめたとしますよね。ところが、自分自身で疑心暗鬼となり、便秘が一向に解消しないようなケースもあります。

編集部編集部

便の異常の放置と素人診断は避けるべきでしょうか?

田島先生田島先生

便の異常に、もう少し、「病的な意識」をもっていただいてもいいと思います。やはり怖いのは、消化器系のがんではないでしょうか。そして痔が、がんのサインとして発症している可能性もあります。ぜひ、恥ずかしがらずに受診してください。

※この記事はメディカルドックにて【痔になりやすい人ってどんな特徴があるの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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