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拭きすぎもNG? 痔になる人に共通する注意すべきやりがちな習慣とは? 【医師解説】

 公開日:2025/06/16
痔になる人 特徴

とひと口にいっても、その原因は実に多様です。便秘や下痢による切れ痔、出産や長時間の座りっぱなしによるいぼ痔、さらには細菌感染から生じる痔ろうまで。私たちの日常生活に潜む肛門トラブルの引き金とは?今回は、それぞれの痔のタイプと背景要因について、「田島外科」の田島先生に解説していただきました。

田島 雄介

監修医師
田島 雄介(田島外科)

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埼玉医科大学卒業。埼玉医科大学総合医療センターや肛門疾患の専門病院などを経た2019年、「田島外科」を継承。生活習慣病などの内科疾患から外傷などの外科疾患も扱っている。医学博士。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医、日本大腸肛門病学会専門医・指導医、難病指定医、日本医師会認定産業医、埼玉医科大学非常勤講師。日本臨床肛門病学会、日本臨床外科学会、日本遺伝性腫瘍学会、日本消化器内視鏡学会の各会員。

編集部編集部

痔には、どのような要因が反映されるのでしょうか?

田島先生田島先生

痔の中でも切れ痔には、わかりやすい印象がありますよね。便の通過時に肛門が切れてしまう症状で、間接的な原因に便秘も含まれます。便秘により便が太くなってしまうからですね。また、下痢でも切れ痔は起こりえます。下痢の勢いで、同じく肛門が切れてしまうのです。

編集部編集部

痔というと、いぼ痔のイメージがあります。

田島先生田島先生

いぼ痔の原因は様々で、肛門の括約筋の緩み、出血・うっ血などがきっかけとなります。とくに、「排便時の力み」は、肛門を締める動きと逆に働きますので要注意です。また、なにかのきっかけで出血した箇所が、血栓を経て大きく膨らむこともあります。女性に顕著なのは、出産と前後したいぼ痔でしょうか。胎児や膨らんだ子宮が肛門を内側から圧迫するため、うっ血しやすくなります。

編集部編集部

排便後の処理が雑ってことは考えられますか?

田島先生田島先生

雑な場合もそうですし、逆に拭きすぎでも起こりえます。肛門の粘膜ごと拭き取ってしまうと、刺激がじかに伝わるので、炎症や出血を生じさせてしまう可能性があります。なお、温水洗浄便座の多用も同様です。

編集部編集部

ほか、できものを伴う“痔ろう”がありますよね?

田島先生田島先生

痔ろうは細菌感染の結果です。下痢の方に多く、下痢に含まれる菌が肛門部の奥まで入り込み、流されないまま化のうしてしまうのです。また、運転手さんなど、座る時間が長い方に顕著なようです。おそらく肛門部が刺激され続け、菌を多方向へ押し広げているのではないでしょうか。座って温かくなっていることによる発汗も、菌の拡散に関係していると思われます。

※この記事はメディカルドックにて【痔になりやすい人ってどんな特徴があるの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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