目のシミが視力を奪う? 「白目の病気」に注意すべきシミの種類とは? 【医師解説】

白目にうっすら浮かぶ黄色や茶色のシミ、加齢のせいだと思って見過ごしていませんか?その色の変化、もしかすると「瞼裂斑」や「翼状片」といった疾患のサインかもしれません。特に翼状片は、進行すると黒目にまで広がり、視力低下を引き起こすこともあります。今回は、白目に現れる色の異変とその治療法、予防のポイントについて、水落先生に解説していただきました。

監修医師:
水落 誠(西條眼科医院)
編集部
白目に現れる色の変化はありますか?
水落先生
黄色や薄茶色のシミがあったら、「瞼裂斑(けんれつはん)」か「翼状片(よくじょうへん)」かもしれません。「瞼裂斑」は白目の部分にできる小さなシミ、「翼状片」は白目から黒目の部分まで進出している翼のような組織のことで、それぞれ別の病気です。
編集部
ともに治療は可能なのですか?
水落先生
可能で、切除手術を用います。目のゴロゴロ感を和らげる目的で、点眼薬が処方される場合もありますが、点眼薬だけで治るものではありません。なお、「瞼裂斑」が老化現象の一種とされている一方、「翼状片」は異常な組織増殖の一種で、若い人でも起こり得ます。「翼状片」の進行を許すと視力に影響し、切除しても元の視力に戻らないことがあります。早めにご相談ください。
編集部
黄色の病変は、少し怖いですね。予防法はありますか?
水落先生
ともに紫外線が原因とされ、主に屋外で仕事をされる方に多発します。ですから、「サングラスの着用」が有効かもしれないですね。ただし、サングラスに対する「抵抗感」のような意識をお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、なんとも言えません。医師としては、「目の保護」を適切にしていただきたいと考えます。少なくとも、サングラスによる医学的なデメリットはありません。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
水落先生
いわゆる「できもの」は、白目に限らず、まぶたの裏側などにも生じます。総じて、「短期間のうちに大きくなる」ようなら、早急に受診してください。「ものもらい」と思っていたら悪性腫瘍だったケースもございますので、油断は危険です。
※この記事はメディカルドックにて【白目に黒い筋が…これって大丈夫なの? 考えられる病気は?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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