目の中にシミ? 放置NGな「白目の黒い線」の考えられる病気とは? 【医師解説】

ふと鏡を見たときに「白目に黒い線が…?」そんな異変に驚いた経験はありませんか?実はそれ、結膜母斑と呼ばれる良性の色素沈着かもしれません。多くの場合、すぐに危険というわけではありませんが、大きくなる・盛り上がる・境界があいまいになるといった変化には注意が必要です。今回は、その見極め方と治療の可能性について、水落先生に解説していただきました。

監修医師:
水落 誠(西條眼科医院)
編集部
白目の部分に黒や茶色の線が出ているのですが、これはなんですか?
水落先生
調べてみないとわかりませんが、痛みなどがなければ、「結膜母斑(けつまくぼはん)」かもしれませんね。ホクロのような色素沈着ですから、目に害のある病気ではありません。ただし、時間とともに大きくなるようなら危険です。「悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」などの病気を疑ってみるべきでしょう。
編集部
放っておいても大丈夫なのでしょうか?
水落先生
受診を推奨する兆候は、大きく3点あります。1つ目は、短期間で大きくなること。2つ目は、黒い部分が平らではなく盛り上がっていること。まばたきすると、隆起によってゴロゴロ感がすることもあります。そして最後に、黒い患部と白目の境界が不明瞭であること。この3点のいずれかが確認されたら、念のために受診してください。
編集部
上記の兆候がない場合でも、希望すれば取り除くことは可能ですか?
水落先生
手術を扱っている眼科なら、切除が可能です。術後の注意点や再来院のタイミングなどについては、担当医から説明を受けてください。ただし、万が一悪性の疾患だとしたら、眼科以外の、身体疾患を扱う専門医院などと連携していく必要があるでしょう。
編集部
結膜母斑が病気ではないとすると、審美目的の自費診療になりそうですか?
水落先生
「白目結膜の腫瘍切除」という扱いになりますので、保険診療が認められています。費用は、保険の3割負担として、片目あたり2万円前後です。なお、レーザーを用いると自費診療になる場合もあるので、念のため受診先に確認してみてください。
※この記事はメディカルドックにて【白目に黒い筋が…これって大丈夫なの? 考えられる病気は?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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