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「お酒の適量」は言い訳? 医師がすすめる正直な飲み方と正しい向き合い方とは

 公開日:2025/06/30
お酒との付き合い方

「健康のために…」「付き合いだから…」そんな理由をつけて、お酒を飲んでいませんか? 実はその理由付けこそが、飲酒量をコントロールできなくなる落とし穴かもしれません。今回は、お酒との正しい向き合い方、そして本当に健康を守るための心得について、「山本医院」の山本先生にお聞きしました。

山本 久文

監修医師
山本 久文(山本医院)

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杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院第三内科研修後、朝日生命成人病研究所附属病院にて臨床経験を重ねる。1992年、東京都荒川区の山本医院を継承。2007年には医療法人社団久悠眞会へ法人化。「患者さんのために」というモットーを、医院の随所へ反映させている。医学博士。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医の資格を有する。

編集部編集部

先生が日頃、飲酒についてアドバイスしていることはありますか?

山本先生山本先生

繰り返しになりますが、理由付けをして「仕方なく飲んでいるのだ」とは絶対に思わないこと。好きだから飲んでいることを自覚しましょう。そう考えると、「どこまで飲めば大丈夫」という発想自体、おかしな話ですよね。「どこまで」という制限枠が、そもそもの理由付けです。アドバイスというのも変な話で、「どうしたらいっぱい飲めるか」を語っているようなものでしょう。

編集部編集部

そのうえで、お酒が好きな人は、適量を守りなさいと?

山本先生山本先生

もはや哲学ですが、「適量なら飲んでもいいのだ」という発想自体が理由付けです。とはいえ、適量がひとつの目安になることは確かなので、定期健診などの数値に気をつけましょう。異常値は肝障害の始まりかもしれません。異常値が出たら受診して、日頃の酒量を“正直に”申告してください。過少申告をしたところで、現に異常値が出ているのですから、意味はありません。むしろ、適切な医療への障害になりえます。

編集部編集部

飲酒をなかなか減らせない人は、どうすればいいでしょうか?

山本先生山本先生

「酔いにくい方法」などが各所で散見されますが、それも結局は、アルコールを増やす方法なんですよね。酒飲みの理屈にすぎず、お酒との上手な付き合い方ではありません。まずは、そうした増やす方向に走っていかず、減らす方向に思い切ってかじを切ること。どうしても無理なら、「断酒会・減酒会」のようなコミュニティを活用しましょう。

編集部編集部

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

山本先生山本先生

アルコールには間違いなく「肝毒性」があります。薬か毒かで言えば「一滴でも毒」。ただし、肝臓には毒を除く機能がありますので、許容量も存在しています。この許容量が理由付けの一因です。「言い訳」のような防波堤があると、人はそれに頼ってしまいますから、「特別な理由はない。ただ、好きで飲んでいる」と考えてください。そして、いろいろと変な理屈に走らないことを“肝”に命じましょう。

※この記事はメディカルドックにて【「休肝日」をつくれば、お酒をいっぱい飲んでも大丈夫?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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