お酒好き必読! 「休肝日」の本当の意味と正しい飲酒習慣を医師が解説

「休肝日って、本当に肝臓を休ませているの?」そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか? 実は休肝日という言葉は、肝臓を休ませるというよりも飲酒量を減らすための習慣という意味合いが強いのです。今回は、休肝日の正しい考え方や飲酒量の目安について、「山本医院」の山本先生に解説していただきました。

監修医師:
山本 久文(山本医院)
編集部
はじめに、「休肝日」という言葉について教えてください。
山本先生
「週に1日以上、飲酒しない日を設けましょう」という造語ですね。ただし、肝臓はアルコールに関係なく年中無休ですから、厳密な意味での「肝臓を休ませる日」はありません。休肝日そのものを目的とせず、「休肝日を設けることで、結果として酒量全体を減らしましょう」と理解してください。
編集部
許容される飲酒量の目安はありますか?
山本先生
厚生労働省は、「適度な飲酒」の目安として、「純アルコールにして1日平均20g程度まで」と呼びかけています。「ビールなら中ビン1本」「日本酒なら1合」「チューハイなら350ml缶1本」「ウイスキーならダブル1杯」相当でしょうか。個人的には1日40gまでが許容量と考えています。もちろん、個人差はありますよ。
編集部
つまり、過度な飲酒をしてしまったら、1日平均20g以下となるように間を空けろと。それが「休肝日」であると?
山本先生
そういうことです。お酒が好きな方はどんどん飲みますからね。毎日飲んでる量を制限するより、そもそも飲まない日を設けたほうが現実的だと思います。休肝日を取ると肝臓が元気になるという話ではありません。
編集部
極論ですが、月に1回だけ、800gの飲酒をしてもいいものでしょうか?
山本先生
本当に極論ですね(笑)。急性アルコール中毒の原因にもなりますので、ダメであることは当然として、なぜ「週あたり」の指標にしているかというと、コントロールしやすいからです。たとえば、「火曜と木曜は休肝日」みたいな決め方ができるじゃないですか。それに、最大で7日間なら計算も簡単です。他方の「月あたり」になると計算が複雑で、「まあ、いっか」の余地も出やすいですよね。総量規制が効きにくくなってしまいます。
※この記事はメディカルドックにて【「休肝日」をつくれば、お酒をいっぱい飲んでも大丈夫?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。