水を飲みすぎてもダメ!? 「腎臓」の正しい水分管理と生活習慣の落とし穴【医師解説】

「水分をたくさんとるのは体にいい」と言われますが、それが必ずしも正解とは限りません。とくに腎機能が低下している場合、水分のとりすぎは体内に負担をかけ、心不全などのリスクを高めることもあるのです。水分摂取と腎臓の関係、そして腎機能を守る生活習慣について、森先生に解説していただきました。

監修医師:
森 維久郎(赤羽もり内科・腎臓内科)
編集部
腎臓は尿をつくる臓器ですよね。水分摂取量は関係してくるのでしょうか?
森先生
健常な人であれば、普通に水分をとっていただいても構いません。その一方で腎機能低下した結果、腎臓でうまく尿をつくれない人は体内に水分がたまっていき、心臓などに負担がかかるため、水分の制限が必要になります。
編集部
腎臓の疾患なのに、心臓にも影響が出るのですね?
森先生
はい。腎臓は尿として老廃物を体の外に出すだけでなく、体のミネラルやホルモンの調整など、様々な役割を担っています。そのため、腎機能が低下すると全身に様々な障害が起きるのです。例えば、心臓に負担がかかったり、筋肉が衰えやすくなったりするため、心不全や寝たきりになりやすいと言われています。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
森先生
健常な人における腎臓のケアとしては、高血圧と糖尿病を防ぐことが大切です。生活習慣については、シンプルにバランスのいい食事と定期的な運動がカギとなります。ただし、自分の腎臓の状態や血液検査のデータに基づいてやるべきことが異なるので、自己判断でタンパク質の制限などはしない方がいいと思います。
※この記事はメディカルドックにて【腎臓病を食事で予防しよう! 大切なことは「塩分」と「摂取カロリー」のコントロール】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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