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腎臓にいい食べ物は存在しない!? 腎臓を守るための食事のコツを医師に聞く

 公開日:2025/06/16
腎臓を守る 食習慣

腎臓を守るカギは血圧と血糖値のコントロールにあります。塩分やカロリーを意識した食生活が重要ですが、極端に味を薄くする必要はありません。少しの工夫で美味しく塩分を減らすことも可能です。腎臓の健康を守るための食事法と生活習慣について、「赤羽もり内科・腎臓内科」の森先生に解説していただきました。

森 維久郎

監修医師
森 維久郎(赤羽もり内科・腎臓内科)

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三重大学医学部医学科卒業。主に救急医療や腎臓内科の診療を積んだ後の2020年、東京都北区に「赤羽もり内科・腎臓内科」を開院。生活習慣病に注力した看護師、管理栄養士、理学療法士とのチームワークで地域医療に貢献している。日本腎臓学会、日本透析医学会、日本腎臓リハビリテーション学会、日本禁煙学会、日本内科学会、日本糖尿病協会、日本腎臓病協会の各会員。

編集部編集部

肝臓はお酒ですが、腎臓を守るとしたら何が重要なのですか?

森 維久郎医師森先生

「〇〇を食べたら腎臓が悪くなる」とか「〇〇を食べたら腎臓が良くなる」という話ではなく、一番大切なのは血圧や血糖値に注意することです。高い血圧や血糖値は、腎臓に負担をかけて腎機能を低下させます。血圧をコントロールするために「塩分のとりすぎ」には注意が必要で、血糖値が高く肥満がある場合は「適正なカロリー摂取」が必要になります。

編集部編集部

塩分摂取量の目安って、色々なサイトに掲載されていますよね?

森 維久郎医師森先生

そうかもしれませんね。ちなみに、厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は「男性で7.5g、女性で6.5g」です。一方、日本人の平均的な塩分摂取量は1日約10gとされていますから、「日頃の食事での工夫」が求められるでしょう。(※)

※e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-002.html

編集部編集部

とはいえ、パッケージなどで塩分量を確認するって、素人には困難という気がします。

森 維久郎医師森先生

腎臓病の治療に求められる「1日の塩分量6g以下」を達成できている人は、全腎臓病患者さんのうち“1割強”しかいらっしゃいません。ですから「味を薄くする」とは考えない方がいいかもしれませんね。コツとしては、「味はそのままで塩分を減らす」ことでしょうか。

編集部編集部

お酢の代用などは、よく耳にします。

森 維久郎医師森先生

そうですね。しょっぱさを酸っぱさで補うほかに、「香り」も有効です。サラダにハーブ野菜などが加わると、それだけで「味が濃くなった」ように感じます。また、香辛料を増やすのも有効な方法でしょう。ほかにも、汁物の「具を多くする」と、汁による塩分が少なくなるだけでなく、満足度も高まると思います。

※この記事はメディカルドックにて【腎臓病を食事で予防しよう! 大切なことは「塩分」と「摂取カロリー」のコントロール】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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