スポーツ中の腰痛は危険! 「腰椎分離症」の症状と見逃せない進行サインを医師が解説

小学校高学年から高校生くらいの時期に発症することが多いとされる「腰椎分離症」。治療の開始が遅れると、腰痛や下肢のしびれなどの後遺症が残ることもあり、注意が必要な疾患です。腰椎分離症になりやすい人や心がけたい予防法などについて、「まつど西口整形クリニック」の後藤先生に解説していただきました。

監修医師:
後藤 達広(まつど西口整形クリニック)
編集部
腰椎分離症を発症すると、どのような症状が表れるのでしょうか?
後藤先生
腰痛が出るようになります。特に、腰を反らしたり、ひねったりしたときに痛みを感じることが多いとされています。
編集部
進行するとどうなるのですか?
後藤先生
進行すると、スポーツをしているときだけでなく、日常生活でも痛みを感じることがあります。さらに放置すると、やがて骨のひびが入った部分がきちんとつながらず、「偽関節」になってしまいます。偽関節とは、本来つながっているはずの骨の部分がつながらずに、不安定で関節のようになる状態を指します。
編集部
偽関節になるとどうなるのですか?
後藤先生
加齢とともに、分離した腰椎が前後にずれてしまうことがあります。これを「腰椎分離すべり症」と言い、腰痛のほかに、神経が圧迫されることによる痛みやしびれが生じることもあります。
編集部
腰椎分離症は、早めに治療しなければならないのですね。
後藤先生
そのとおりです。腰椎分離症はしばらく休んでいると痛みが治り、スポーツを再開できることが多いので、「つい、治療せずに放置してしまった」というケースが少なくありません。しかし、そうなると治癒が難しくなり、いずれ腰椎分離すべり症へ進行するリスクが高まります。必ず医師による診察を受け、適切な治療を受けましょう。
※この記事はメディカルドックにて<「腰椎分離症」の初期症状はご存じですか? なりやすい人の特徴・予防法も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。