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「骨粗しょう症」から認知症に!? 負のスパイラルと初期症状を医師が解説

 公開日:2025/06/27
骨粗しょう症の治療法

骨が弱くなり、ちょっとしたことで骨折してしまう「骨粗しょう症」。寝たきりになるリスクも高く、その後の死亡率も上昇することがわかっています。一体、骨粗しょう症を防ぐには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。「八木整形外科」の八木先生に解説していただきました。

八木 敏雄

監修医師
八木 敏雄(八木整形外科)

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昭和大学医学部卒業。その後、昭和大学医学部整形外科学講座入局、関連病院で勤務医として経験を積む。2023年、東京都武蔵野市に位置する「八木整形外科」勤務、副院長を務める。医学博士。日本骨粗鬆症学会認定医、日本整形外科学会専門医・認定運動器リハビリテーション医・認定スポーツ医、日本スポーツ協会認定スポーツドクター。昭和大学病院整形外科兼任講師。

編集部編集部

骨粗しょう症を放置すると、どのようなリスクがあるのですか?

八木 敏雄先生八木先生

骨の密度が低下してもろくなると、日常生活のちょっとしたことでも骨折をしやすくなります。さらに、1カ所骨折をするとほかの部位も連鎖的に骨折をすることもあります。こうした骨折の連鎖は「ドミノ骨折」と呼ばれています。

編集部編集部

ほかにもリスクがあれば教えてください。

八木 敏雄先生八木先生

背中が丸くなるなど姿勢が変化することで全身の安定性が失われ、転びやすくなることがあります。また、背骨が曲がることで胃が圧迫され、食事が喉を通らなくなって「逆流性食道炎」を引き起こすこともあります。そのほか、慢性的な痛みが生じたり、行動が制限されたりすることで、外出の機会が減り、「認知症」や「うつ病」などを招くこともあります。

編集部編集部

骨粗しょう症の自覚症状はありますか?

八木 敏雄先生八木先生

骨粗しょう症の初期段階は痛みもなく、自覚症状がほとんどありません。進行すると、「背中や腰が曲がる」「身長が縮む」「背中や腰が痛む」などの症状が表れます。

編集部編集部

医療機関で治療することはできるのですか?

八木 敏雄先生八木先生

できます。骨密度の測定、レントゲン撮影、血液検査、尿検査などをおこなって骨粗しょう症と診断された場合には、主に「薬物療法」や「栄養指導」などをおこないます。骨粗しょう症の治療は非常に長期に及ぶことがあるので、根気良く継続しましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

八木 敏雄先生八木先生

骨粗しょう症は自分でも気づかないうちに進行し、骨折を伴って発症することから、その早期診断と予防がとても大切です。ご家族に骨折のエピソードがある人や閉経後の女性は、積極的に医療機関を受診し、骨粗しょう症の検査を受けるようにしましょう。一般に、男性では骨粗しょう症のリスクはほとんどないとされていますが、喫煙の習慣がある人や、病気の治療でステロイドを常用している人は念のため、定期的に骨粗しょう症の検査を受けることをおすすめします。

※この記事はメディカルドックにて<「骨粗しょう症」の予防法はご存じですか? 原因や日常生活でできるケア方法も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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