加齢だけじゃない? ストレス性の「網膜トラブル」と治療方法を医師が解説

ストレスが原因で生じる「目の水たまり」その正体は、中心性漿液性脈絡網膜症という目の病気かもしれません。自然に回復するケースもありますが、再発や視力の低下を招く恐れも。今回は、ストレスが引き金となる目の疾患と、その治療法・予防法について、渡邊先生に伺いました。

監修医師:
渡邊 一弘(セントラル眼科クリニック)
編集部
目の「水たまり」の治療方法について教えてください。
渡邊先生
自然回復することがありますので、まずは3~4カ月ほど経過観察します。それでも治らなかったら、血管内に造影剤を入れて、「水たまりの漏れの部位や状態」を詳しく調べます。患部が特定できたら、レーザーを直接当てたり、または特殊な薬液を血管内から投与してレーザーを照射したりして、水たまりを治療します。
編集部
治療できたとしても、ストレスは受け続けますよね?
渡邊先生
そこが大事な観点です。自然に治ったとしても、この病気は再発してしまうケースがあります。そのため、受けているストレスを自己分析して、「なくしていく工夫」が必要でしょう。目に関するストレスであれば、眼科医でもご相談に乗ることができます。他方、職場や仕事でのストレスは、社会保険労務士さんや職場の産業医に相談してみてもいいと思います。
編集部
ストレスは蓄積するので、年齢とも関係してきそうですね。
渡邊先生
そうですね。先ほど「中年の男性に多い」と申し上げましたが、仕事に限らず、マイホームの取得やお子さんの受験などのライフスタイルとも重なります。ぜひ、この機に「加齢による老眼とは別に、ストレスによる目の病気があること」を知っておいてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
渡邊先生
ストレス自体をなくすことは難しいかもしれませんが、ストレスによる目の病気は片目ずつおこなうセルフチェックで見え方の異常に気づくことができます。長期間視力が悪くなると、なかなか元に戻らないことがあるので、異常に気づいたら検査してみましょう。
※この記事はメディカルドックにて【視力とストレスの関係を眼科医が解説、働き盛りの男性はとくに注意!?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。