いびきは睡眠時無呼吸症候群以外も? 他に考えられる病気と対処法を医師が解説

「いびき=睡眠時無呼吸症候群」と思われがちですが、実はその背景には他にもさまざまな疾患が隠れていることがあります。扁桃や鼻の構造異常、蓄膿症、さらには極端な肥満などが原因となるケースも。今回は、いびきを引き起こす他の疾患や適切な受診科目について、「深谷耳鼻咽喉科クリニック」の深谷先生に伺いました。

監修医師:
深谷 和正(深谷耳鼻咽喉科クリニック)
編集部
睡眠時無呼吸症候群以外にも、いびきが症状となる疾患はありますか?
深谷先生
睡眠時無呼吸症候群以外にも、いびきを引き起こすものには以下のようなものがあります。
・扁桃(アデノイドや口蓋扁桃)が腫れている
・口蓋垂(のどちんこ)が大きい
・かぜや鼻炎で鼻が詰まっている
・蓄膿症である
・鼻中隔弯曲(鼻の骨が曲がっている)
・極端な肥満
など
編集部
これらの場合には受診した方が良いのでしょうか?
深谷先生
いびきをかくことが習慣になると眠りが浅くなり、生活の質が著しく低下してしまいます。できるだけ受診をして、原因に応じた治療を受けることをお勧めします。扁桃組織が腫れていたり、蓄膿症を発症していたり、鼻中隔弯曲を起こしていたりする場合には、手術が有効です。
編集部
何科を受診したら良いのでしょうか?
深谷先生
一般的には呼吸器内科や耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。近年では睡眠外来やいびき外来などを設けている総合病院もあり、睡眠時の悩みを相談できるところもあります。そうした科目を利用しても良いでしょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
深谷先生
当院を受診する患者さんの場合、「同居している家族にいびきを指摘された」「会社で居眠りをしていると同僚から言われた」など、第三者の指摘がきっかけとなって、睡眠時無呼吸症候群を疑う人が大半です。自分ではなかなか気づきにくいかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群を放置すると重篤な合併症を引き起こすこともありますし、また、QOLを著しく低下させる原因にもなります。「日中の眠気がひどい」「なかなか疲れが取れない」など、小さなことでも構わないので、気になることがあれば専門医にご相談ください。当院では、外来で行える簡易的な検査や、入院して行う検査などを用意しています。そのような検査を受け、睡眠時無呼吸症候群とわかった場合には適切な治療を行うことが大切です。
※この記事はメディカルドックにて【「いびきは病気のサイン?」医師が解説 睡眠時無呼吸症候群(SAS)やほかの疾患の可能性】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。