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寝酒は大間違い!? 「睡眠障害」を悪化させるリスクを医師が解説

 公開日:2025/06/18
寝酒は逆効果⁉

「眠れない夜、ついお酒に頼ってしまう…」そんな方は少なくありません。アルコールは一時的な入眠を助ける反面、浅い眠りや夜間覚醒、さらには依存という深刻な問題を招くことも。一方で、正しく使えば睡眠薬は効果的な選択肢となり得ます。今回は、睡眠障害とアルコール・睡眠薬の関係について、大澤先生に伺いました。

大澤 亮太

監修医師
大澤 亮太(医療法人社団こころみ)

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山梨大学医学部卒業。国際医療福祉大学にて研修後、精神科医療や産業医としての臨床経験を積む。2017年、神奈川県川崎市に「元住吉こころみクリニック」開院。法人化に伴い「医療法人社団こころみ」の理事長に就任。現在は「こころみクリニック」「東京横浜TMSクリニック」など、首都圏に7院を展開。精神保健指定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医。日本精神神経学会会員。

編集部編集部

睡眠障害対策でどちらか一択だとすると、手に入れやすい「お酒」に目がいきます。

大澤 亮太先生大澤先生

アルコールの摂取は、睡眠障害の解決になっていないどころか、睡眠障害を悪化させます。たしかに、睡眠薬と近い作用があるので、一時的には眠りやすくなります。しかしながら、アルコールは睡眠を浅くしてしまいます。また、睡眠時無呼吸がある人は症状を悪化させます。さらに、お酒には利尿作用があるので、寝ている間にトイレで起きやすくなってしまいます。加えて、「アルコールへの慣れ」により飲酒量が次第に増えてきますよね。飲まないと寝られなくなってきたら、依存という別の問題が生じます。

編集部編集部

睡眠障害は睡眠薬で解決すべきということですか?

大澤 亮太先生大澤先生

そうですね。睡眠薬を適切に利用しつつ、睡眠にとって良い生活習慣を心がけていきましょう。例えば、眠れないからといって早く寝ようとしすぎずに、起床時間から逆算してむしろタイトな就寝デッドラインを作って、自然な眠気を大事にして眠りに入っていただく方がいいです。また、寝付けなければ一度布団から離れて、落ち着いてから眠りに入るようにしてみてはいかがでしょうか。こうした睡眠に良い生活習慣を取り入れながら、出口を見据えて睡眠薬を使っていくことが大切です。

編集部編集部

寝付きが良くないのか、夜中に起きてしまうのか、睡眠障害にも色々あるのでしょうか?

大澤 亮太先生大澤先生

はい。睡眠障害のタイプもですが、その背景にある原因も踏まえながら薬の選択や治療方針を考えていきます。薬も様々なタイプを不眠症治療には活用していきます。いわゆる睡眠導入剤と言われている睡眠薬以外にも、最近では睡眠覚醒のメカニズムに働いて依存性が極めて少ないとされている薬も発売されています。そのほかにも、眠りを深くする抗うつ剤や抗精神病薬なども使っていきます。

編集部編集部

ところで、市販の睡眠薬やサプリメントとお酒の組み合わせはどうなのでしょうか?

大澤 亮太先生大澤先生

市販されている睡眠薬は、大きく分けて「抗ヒスタミン薬」と「漢方薬」の2つのタイプです。抗ヒスタミン薬は、花粉症薬や感冒薬での眠気と同じになります。病院の睡眠薬と同じように効果はあるのですが、連日服用すると次第に慣れてしまいます。もう一方の漢方薬については生薬ですから、大きな影響はないと思います。睡眠サプリメントについては、アミノ酸のグリシンやGABA、ビタミンなどが含まれており、こちらも効果は別としてアルコールの影響は少ないと思います。

※この記事はメディカルドックにて【睡眠障害を解決するためにお酒を飲むのはNG! 睡眠薬で改善するべきワケとは】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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