関節の痛みなど「膠原病」の代表的な症状と腎臓への影響を医師が解説

「膠原病」という病気をご存じでしょうか? 膠原病は正式な病名ではなく、いくつもの病気の総称です。一体、どのような症状や注意点があるのでしょうか。膠原病の中でも注意が必要な症状について「板橋腎・リウマチ隼聖クリニック」の上野先生に解説していただきました。

監修医師:
上野 智敏(板橋腎・リウマチ隼聖クリニック)
編集部
具体的に、どのような病気が膠原病に当てはまるのでしょうか?
上野先生
関節の痛みや腫れ、動かしにくさが表れる「関節リウマチ」や、関節に加え皮膚や臓器にも炎症が表れる「全身性エリテマトーデス(SLE)」、皮膚が硬くなる「強皮症」、筋肉が炎症を起こして筋力が低下する「皮膚筋炎・多発性筋炎」などが該当します。
編集部
腎臓にも影響があるとのことですが、いかがですか?
上野先生
そうですね。全ての膠原病で腎臓の障害が起こるわけではないのですが、例えば全身性エリテマトーデスでは「ループス腎炎」、強皮症では「腎クリーゼ」、シェーグレン症候群では「尿細管間質性腎炎」など、膠原病の種類によって特徴的な腎臓障害が起こります。さらに、これらを診断していくうえでの検査所見も非常に多彩です。例えば、尿検査異常の中でも血尿が主体になるものやタンパク尿が主体になるもの、さらに尿検査で異常がないにもかかわらず腎機能が急速に悪化するものなど、診断がとても難しいものもあるので、腎臓内科に入院して精密検査することもしばしばあります。
※この記事はメディカルドックにて<「膠原病」の症状はご存じですか? 病気の種類や“腎臓”への影響も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。