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家族が「認知症」になったら? 最初にやるべきことと接し方のコツを医師に聞く

 公開日:2025/05/09
家族や友人が認知症になったらどうしたら良い?

身近な人が認知症。そんな場面に直面したとき、私たちはどうすればいいのでしょうか? そこで、家族や友人が認知症になったらどのようにサポートしていけば良いのかについて、神経内科専門医の岩田誠先生(メディカルクリニック柿の木坂院長)に解説してもらいました。

【認知機能の維持向上につなげる】脳の健康度をチェック!

岩田 誠

監修医師
岩田 誠(メディカルクリニック柿の木坂)

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1967年、東京大学医学部医学科を卒業後、 東京大学神経内科学教室助教授、東京女子医科大学脳神経内科主任教授、東京女子医科大学医学部長、東京女子医科大学名誉教授などを経て、2009年にメディカルクリニック 柿の木坂を設立、院長となる。医学博士、日本神経学会認定神経内科専門医、日本神経心理学会名誉会員、日本頭痛学会認定専門医、日本高次脳機能障害学会名誉会員。著書「臨床医が語る 認知症と生きるということ」(日本評論社 2015)

編集部編集部

家族や友人が認知症になったと感じたら、どうしたら良いでしょうか?

岩田 誠先生岩田先生

まずは、専門医に相談することが大事です。進行を遅らせる治療が可能なこともありますし、生活習慣や関わり方などについてアドバイスをもらえたり、周りがしてあげられるサポートについても教えてもらえたりすると思います。

編集部編集部

例えばどんなサポートの仕方が良いでしょうか?

岩田 誠先生岩田先生

私はよく「二人称で話してみて」とお伝えしています。例えば、相手が理解できない言動をとったとしても「私だったらそんなことしない(一人称)」とか、「徘徊」「帰宅願望」などといった三人称的表現で語るのではなく、患者さんが何故そのような行動をとったのかを理解しようと試みてほしいのです。

編集部編集部

コミュニケーションの注意点などもあれば教えてください。

岩田 誠先生岩田先生

患者さんが事実と思っていることを否定しないということも大事です。例えば認知症の方が施設入所した直後や、娘や息子の家に引き取られた時などに、「家に帰らなきゃ」と出て行こうとしてしまうという悩みをよく聞きます。そんな時は「いや、ここが家ですよ」と言うのではなく「じゃあ一緒に帰りましょう」と、まず一緒に外に出てあげ、暫く一緒に歩いてから、「それじゃあ、そろそろ家に帰りましょう」と言って、新しい住処に帰って下さい。新しい住居に移った時は、そこに帰宅するという習慣づけをしてほしいのです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。

岩田 誠先生岩田先生

家族やご友人などの身近な人が認知症になると、関わり方がわからずに困ってしまう方も多いと思います。しかし「二人称で話す」「否定せず、一旦同じ目線に立つ」などのちょっとした工夫で、お互いに気持ちよく過ごしていけるのではないかと思います。認知症の方との関わりは、子育てとも共通する部分が多いと感じています。いきなり上手にはできなくても、徐々にコツをつかんでいただけたらと思います。

※この記事はメディカルドックにて<「認知症」になったとき周囲に知っておいてもらいたいサポートの基本とコミュニケーションの注意点>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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