放置すると危険! 足潰瘍を防ぐための早期対応と治療法を医師が解説

糖尿病の方は、体重や血糖のコントロールと同じくらい、足のケアも大事だと言われますが、その理由をご存知ですか? また、医療機関で行われる糖尿病患者のフットケアにはどのようなものがあるか知らないという方も多くいらっしゃると思います。単なる靴擦れと侮ると足切断の可能性もある、糖尿病患者の医療機関でのフットケアについて内科医で日本フットケア・足病医学会認定師の井倉 和紀先生(西早稲田ライフケアクリニック 院長)にお聞きしました。
編集部
足潰瘍になった場合、具体的にどのようにケアしていくのですか?
井倉先生
まず治療には足の血流が重要になるので、傷への血流を検査し、血流が悪ければ下肢カテーテル治療やバイパス手術、血管拡張剤などの薬物治療を早急に検討します。それと同時に、傷の治療(洗浄、軟膏を塗る)を行い、感染、炎症を合併していれば抗生剤治療を行います。さらに、栄養状態の改善や糖尿病の方は血糖コントロール、靴の選択、調整も行う必要があります。
編集部
単なる足の傷でも、多くのケアが必要なのですね。
井倉先生
そうなのです。また逆に、フットケア外来では足の相談をきっかけとして何か疾患がないかを調べることもできます。足のむくみから心不全、腎不全が見つかる、足の血流障害が隠れていたという例も少なくありません。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
井倉先生
足潰瘍の原因で最も多いのは靴擦れです。ただの靴擦れと放置していると、取り返しのつかないことになってしまいます。だからこそ、糖尿病の方はもちろんのこと、現時点で疾患のない方もちょっとしたトラブルを放置せず気軽に相談してほしいです。長い人生、出来るだけ元気に自分の足で歩けるように、痛みやトラブルを我慢せずフットケアの専門家を受診することをお勧めします。

監修医師:
井倉 和紀(西早稲田ライフケアクリニック)
※この記事はメディカルドックにて<足潰瘍の原因1位は靴擦れ!? 放置すると足切断の可能性も…糖尿病患者のフットケアについて>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。