「神経ブロック注射」を受けるときのリスクとは? 注意点と注射の持続効果を医師に聞く

「神経ブロック注射」は、痛みの原因となる神経に直接薬剤を注入する治療法です。そこで、「リスクはないか?効果の持続時間は?」などの疑問を、整形外科医の横山洋平先生(若宮中央医院 院長)に答えてもらいました。
編集部
ブロック注射を受けるとき、注意しておくリスクなどはありますか?
横山先生
神経ブロック注射は、エビデンスもしっかりしており、非常に安全性の高い治療法です。しかしながら、身体に針を刺しますので、まれに感染や出血が起こることがあります。感染しやすい糖尿病の方や血が止まりにくい「血液サラサラ薬」を飲んでいる方などは慎重に、と先ほどお伝えしたのはそのためです。
編集部
効果はどのくらい持続するのですか?
横山先生
単に薬効として痛みがなくなるという効果は「数時間」ですが、痛みの連鎖を遮断することによって長期間(最長で3ヶ月程度)にわたる除痛効果が得られます。
編集部
それはどういうことでしょうか?
横山先生
痛みの伝達というのはとても複雑にできており、「知覚神経」から電気信号が伝わり、脳内で「痛み」として認識されるまでに、痛みを増幅させる神経回路や逆に痛みを抑制する神経回路が介在するのです。痛みを感じ続けていると、そういった回路が悪循環を起こし、「痛みの連鎖」を生じてしまいます。これを数時間でも薬で断ち切ることで、その後の痛みの感じ方も変わってくるのです。
編集部
最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。
横山先生
痛みの原因や強さは人それぞれですが、患者さんの治療要望もまたそれぞれ異なります。ペインクリニックでは「手術をしても良いから、とにかく根本から治療したい」「手術は怖いのでお薬で」「治療は最低限で、痛みと上手く付き合っていけたら」など、多様な要望に沿った治療を一緒に考えていくことができます。痛みで悩んでいる方は、お近くのペインクリニックを調べてみてはいかがでしょうか。

監修医師:
横山 洋平(若宮中央医院)
※この記事はメディカルドックにて<神経ブロック注射は誰でも受けられる? リスクはないの?【医師解答】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。