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手足や顔の痺れは放置しても平気? 治らない? 原因・治療法も医師が解説!

 公開日:2025/03/14
手足が痺れる原因が脊椎や脳神経にあるとき脳神経外科ではどんな診療をするの?

突然、手足や顔の痺れが発生したときにはドキッとするもの。何か重大な病気の兆候かもしれないと、ヒヤヒヤしたことがある人も多いと思います。今回は手足が痺れる原因が脊椎や脳神経にあるとき脳神経外科ではどんな診療をするのかを辻堂脳神経・脊椎クリニックの中川先生にMedical DOC編集部が聞きました。

中川 祐

監修医師
中川 祐(辻堂脳神経・脊椎クリニック)

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2008年慶應義塾大学医学部卒業。2008〜2010年横浜市立市民病院初期臨床研修医、2010年慶應義塾大学医学部脳神経外科学教室入局。その後、済生会宇都宮病院脳神経外科、足利赤十字病院脳神経外科、慶應義塾大学病院脳神経外科助教、日野市立病院脳神経外科、済生会横浜市東部病院脳神経外科医長を経て、辻堂脳神経・脊椎クリニック開院。医学博士、日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医、日本認知症学会、日本頭痛学会、日本脳神経外科漢方医学会。

編集部編集部

手足の痺れの原因が脊椎や脳神経にある場合、どのように診療を行うのですか?

中川祐先生中川先生

まずは問診により、痺れの範囲を確認します。痺れている範囲を調べることによって、どの神経に障害が起きているのか、ある程見当をつけることができます。

編集部編集部

そのほかには?

中川祐先生中川先生

診察によって、痺れの原因を確認します。具体的にはゴムのハンマーで腱反射を調べたり、触覚や痛覚、振動覚の異常がないかを確認したりします。疑わしい疾患が想定できたところでX線やMRIなどの検査を行い、脳や脊椎・脊髄の異常がないか確認します。場合によっては、神経の伝導が正常かどうかを調べたり、血液検査を行ったりする場合もあります。

編集部編集部

原因を確認したら、どうするのですか?

中川祐先生中川先生

原因となる治療を行うと同時に、対症療法として痺れを緩和する治療を行います。炎症による痺れや痛みには消炎鎮痛薬、痺れや痛みの原因が末梢神経の障害の場合には神経を修復するためにビタミン薬、血流が低下することで痺れが生じている場合には末梢循環改善薬などのように、症状に応じて薬を使い分けます。

編集部編集部

そもそも痺れは治るのですか?

中川祐先生中川先生

痺れの種類によっても異なりますが、特に神経の異常などが原因で痺れが生じている場合には、改善するまでに年単位で時間がかかることもありますし、治らない場合もあります。症状の程度や原因にもよりますが、場合によっては痺れの程度を抑えたり、悪化しないようにしたりすることが治療の目的になることもあります。原因となる疾患の治療を行うことで痺れの悪化を防ぎ、また軽快・改善することも期待できますので、痺れを感じたら早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

編集部編集部

あらためて、どのように手足や顔の痺れと向き合えばいいですか?

中川祐先生中川先生

痺れは患者さんご本人にしかわからない症状です。眼に見えるものではありませんし、画像検査でも映りませんから、診断・治療するうえではご本人の症状把握が非常に重要であり、患者さんご自身が医師へ正確に症状を伝えることが必要です。「どんなときに痺れが出やすいのか」「痺れの出る範囲はどこからどこまでなのか」「どんなときに症状が改善するのか」などを普段からメモし、診察のときに医師に伝えることで、より正確な診断が可能になります。速やかに治療に結びつけるためにも、ご自身でしっかり状況を把握して、医師の診察を受けることをお勧めします。

※この記事はMedical DOCにて<手足や顔の「痺れ」は何科を受診すべき? 医師が診療科と痺れ・痛みの原因や検査・治療内容を解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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